粧う秋と亀田縞―阿賀野市の古民家風ギャラリーで作品展―

五頭のふもとのギャラリーで「亀田縞作品展」が開かれ、里山の秋に彩を添えている。作品展は10月6日から始まり同30日まで。

 

 亀田縞は約300年前の元禄年間に新潟市亀田郷で発祥した。当時の亀田郷は“地図に無い湖”と言われる芦沼が広がっており、農業者にとっては実に苛酷な自然条件だった。

 

 厳寒の冬にも腰まで水に浸かりながらの水耕作業を強いられる農民達が、唯一の楽しみとして嗜好した“ファッション”が亀田縞だった。

 

 綿花を紡いだ糸を染めてから織る先染織物の技術が根付き、丈夫で衛生的かつ風合いのある亀田縞は同地に一大織物産地を形成させた。全盛期には亀田郷に660軒の機屋があったという。しかし戦後に日本人の服飾が和装から洋装と変わり国内の繊維産業も大きくシフトする中、亀田縞も消滅の憂き目に遭う。

 

 消滅から約半世紀後の2005年に「亀田縞復刻プロジェクト」がスタートし、当時の資料から徹底的に分析、忠実に再現された亀田縞が復活デビューを果たす。手紡ぎ風のムラ糸を原料に、独特の多彩な色合いを表現する特別な染料と染色技術を用い、ソフトでナチュラルな手触りの良さも当時のままに再現された。

 

 今回は亀田縞の秋物新作がお目見え。秋の装いに色づく五頭の山々、抜群のロケーションを借景し、柔らかな風合いの亀田縞の魅力を再発見できる。次世代に伝えたい“着心地”がここにある。 

 

 亀田縞の提供は「越後亀田縞 中越機業」。作品展は阿賀野市畑江86の「ギャラリー木り香」で1030日まで開かれている。開催日数も残りわずか、里山の秋を感じたい人は見逃すことなかれ。