ロボットビジネスセミナーで熱帯びる「どこからが“ロボット”なのか?」

 12月2日、新潟市中央区の新潟県工業技術総合研究所で「ロボットビジネスセミナー」が開催された。主催は特定非営利法人UD21新潟。

 

 講師は、インフラ点検や福祉の部門で利用されるロボット技術開発で実績を挙げている株式会社イクシスリサーチ(神奈川県川崎市)の山崎文敬社長(=左写真)。

 

同社が開発するロボットは橋梁やトンネル、石油タンク、そして福島第一原発などの点検業務で活躍しており、国のプロジェクトにも多数の実績を挙げている。

 

山崎社長は15年ほど前まで、二足歩行ヒト型ロボットの研究開発をしていたという。しかし「研究をやればやるほど“ヒト型”は必要ない」という考えに至ったという。

 

 では“ロボット”というのは、どこから“ロボット”なのか。モーターとセンサーと遠隔操作があればロボットなのだとすれば自動掃除機の「ルンバ」はロボットと言っても差し支えないかもしれない。昨今開発が進んでいる「中の食材が少なくなったら自動で発注する冷蔵庫」はロボットなのか?自動操縦の自動車はロボット?

 

 取るに足らない問題に思われるかもしれないが、実はロボットマーケティングの世界では重要なテーマなのだ。例えば顧客に「かくかくしかじかのロボットを開発して欲しい」と依頼を受け、できあがったものが、顧客が持つ“ロボット”のイメージとかけ離れていたら・・・顧客満足は得られないだろう。産業用ロボットに比べてサービスロボットの普及と実用化が進まないのも、このあたりに原因があるという。

 

 この話題は第2部のパネルディスカッションでも激論の中心となった。

 

山崎社長の考えるロボットとは“人間の能力の延長線上にあり、人間ができない範囲のことができる機械。それが単機能でも良い”

 

「ゲーム機の普及過程を思い出して欲しい。昔ファミコンが出たときは、今のように家電量販店の中心にずらりと並んで売られていたわけでなく、テレビコーナーの脇に地味に展示されていた。今のロボット産業は一足飛びに20年後の市場を作り出そうとしているから足踏みしているのでは」(山崎社長)

 

 実際、山崎社長が開発した橋梁点検ロボットはモーターが付いていない“手動”なのだ。それでも人間の能力を超え“膨大なデータを一定品質で収集する”ことができる点で、これは“ロボット”である。

 

  鉄腕アトムやガンダムはもう少し先の時代になりそうだ。

パネルディスカッションでも“ロボットの定義とは”が議論の中心に