<新潟ヒット商品物語>「失敗作」から産まれた新型イヤホン「リバースサウンド」(ウエタックス・FMポート共同開発)

「イヤホンを通して音楽を楽しみながら、外部の音も聞こえる」。この一見“二律背反”する機能を持った新型のイヤホン「リバースサウンド」は3年ほど前に発売開始以来、ピーク時には月間2000個以上を売り上げるなど、新潟発信のスマッシュヒット商品となっている。

 

同商品をFMポート(新潟県民FM放送)と共同開発したのは、上越市のメーカー、ウエタックス。同社は水中音響の分野で世界有数の技術を持ち、スポーツ(シンクロナイズドスイミング)やエンタメの舞台で大いに活かされている。

 

 この製品が生まれたのは、同社が製造した水中スピーカーの試作品、それも廃棄予定だった“失敗作”からだとか。

 

 通常のイヤホンは、外部のノイズを徹底的に遮断し音が直接鼓膜に当たる。音がしっかり作りこまれる半面、耳は疲れやすい。それに対し、「リバースサウンド」は音を一度反射させて鼓膜に送り込む。外のノイズも拾いやすいが、自然なサラウンド空間を作り出し耳に優しい。

 

果たして“外の音も聞こえるイヤホン”は市場性があるのか?この技術に着目したのが、サッカー中継を行うFMポート。スポーツ観戦の際、スタジアムの臨場感を味わいながら中継の音声も聞きたい、こうしたニーズに応えられるのが「リバースサウンド」の特性である。

 

この「リバースサウンド」は想定外の方面で人気が高まった。ヒットのきっかけは昨今の爆発的なランニングブームである。音楽を聴きながら走りたい、しかし外の音をシャットアウトしては事故等の危険がある。そんな場面で“外の音も拾うイヤホン”なら安心。たちまち市民ランナーの間で話題となり、ネット通販で大いに売れた。

 

音声や動画ファイルの編集作業中などに外部の声も聞くことができるので、ビジネスの場でも重宝されているようだ。

 

 新型イヤホン「リバースサウンド」を開発したウエタックス(株)の詳細記事が「にいがた経済新聞」110日発行号に掲載予定。乞うご期待。