東京電力幹部が県庁を表敬訪問 「一致できる部分多々ある」と知事

 15日、東京電力の数土(「数」は旧字)文夫取締役会長、広瀬直己代表取締役社長、木村公一新潟本社代表の三名が新潟県庁を表敬訪問し、米山隆一県知事と就任後初対面となった。

 

 東電役員による知事訪問は、昨年11月には予定が組まれていたものの、一度目は福島沖で発生した地震の影響で延期、2度目の予定も県内で発生した鳥インフルエンザ対策の影響で延期され、今回が文字通り“三度目の正直”で実現した。

 

新任の知事と東電幹部の初対面は極めて注目度が高く、知事室には100人近くの報道陣が詰め掛けた。焦点は言わずもがな、柏崎刈羽原発の“処遇”について、米山知事がどういう態度を示すかである。「原発再稼働阻止」を訴えて昨年10月の知事選に当選した米山知事だけに、対面は重いムードで始まった。

 

「(再稼働について)福島第一原発事故の検証、原発事故による住民の健康と生活への影響の検証、事故時の避難方法の検証という三つの検証が徹底されない現状では、再稼動の議論はありえない」と米山知事。「検証にどれほどの時間がかかるかはまだわからない。数年かかるであろう」とも付け加えた。

 

 その一方で「検証は科学的、合理的な根拠をもって進められなければならない。そのためには東電と県との協力体制が必要」と、前職・泉田裕彦知事に比べて幾分“胸襟を開いた”対応も見せた。また懸案となっている放射性汚泥の処理についても「事務レベルで解決できる段階」(米山知事)と話した。廣瀬社長が「米山知事にも是非、福島第一原発を視察していただきたい」と水を向けると「スケジュール調整をして実現したい」と視察に前向きな姿勢を示した。ちなみに前職は事故後の福島第一原発を一度も視察していない。

 

知事室での対面の時間は約15分間。対面後のぶら下がり取材で廣瀬社長は「これから前向きに話を続けさせていただけると感じた」と話した。対話以前の状況だった前職との関係性に比べ“科学的に、合理的に”と強調する新知事に対してある種の感触を得たと見える。もっとも「(再稼働に向けて)一歩前進ですか?」の質問に数土会長は「ノーコメント」と話したように、具体的な状況変化に相当の時間がかかることも確かだ。

  

東電役員3名はこの後柏崎市役所に向かい、「再稼働容認」で11月の市長選に初当選した桜井雅浩市長を訪問した。

「原発事故の検証には相当の時間がかかる」とする米山知事だが「(県と東電の考えが)一致する部分もある」と胸襟を開いた表現もした

「(再稼働には)ステークホルダーである立地地域の皆様の意向が再重要事項」と繰り返し強調した東京電力・数土会長(手前、奥は廣瀬社長)

対面後はぶら下がり取材も行われた