【連載】新潟の大学生発! SDGsから新潟の今を考える「『目標1.貧困をなくそう』と新潟の未来」


前回:【連載】新潟の大学生発! SDGsから新潟の今を考える「SDGsって何?」

 

はじめに ~なんで新潟とSDGs?~

そもそも、「なぜ新潟の未来について考えるのにSDGsなのか」を疑問に思う方や、「なんとなく分かるようで分からない」という方もいるかもしれませんが、新潟の課題を解決しようしとしたときに、これまでの地方創生のやり方では限界が見えてきているという背景がここにはあります。地方創生を推進しようと政府主導で全国の傾向をもとに取り組めば、地域間格差が生じ、人口確保のために地域間で人口を奪い合う構図になったり、地元の伝統を手放してでも、目先の利益を求めたりする政策が行われてきました。

私達は、この限界を超えるために、SDGsの発想が必要であると考えています。「誰ひとり取り残さず、将来世代のために」というSDGsをもとに、新潟に住む今の世代だけでなく、将来世代のためにも一人ひとりが主体になって動くことが求められています。

 

目標1について

目標1は、「貧困をゼロに ~あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる~」という目標です。今回は、あまり身近に感じない「貧困」について、私達大学生の間で話し合いながら出てきた内容についてご紹介します!

「あらゆる場所、あらゆる形態」という文言が目標1にありますが、貧困は、一般的に「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2つに分類されます。

絶対的貧困とは、1日1.9ドル未満での生活(日本円で約200円)を指します。この基準は国際貧困ラインといって、世界の10人に1人はこの貧困ラインを下回る現状にあります。また相対的貧困とは、その国の文化・生活水準と比較して困窮した状態のことを指します。そのため、その国によって貧困の様相が異なってきますが、目標1は、この相対的貧困の解決も目指しています。

 

日本の貧困

日本の貧困について考えるとき、相対的貧困が問題にあげられます。というのも、日本の相対的貧困率は、15.7%(2016年)、OECD加盟国34カ国中、7番目に高い数字になっていることが背景にあります(2017年)。

相対的貧困率は、全国民の年収の中央値を取って、さらにその下位層で中央値を取ったときに、それを下回る層が全体を占める割合で測ることができます。

日本の貧困について、特筆すべきは子供の貧困です。またOECD諸国との比較になりますが、子供の相対的貧困率は10番目に高く、さらに大人が1人の世帯の子供の相対的貧困率は最も高いという結果になっています。以下の表から、7人に1人の子供が貧困状態にあり、ひとり親家庭の半数以上が貧困状態にあることが分かります。

 

新潟県の現状

新潟県の貧困率を「『住宅・土地統計調査』データに基づく都道府県別貧困率」から見てみると、1973年から2013年の全国平均順位が39位となっており、国内で貧困率が高い方に位置しています。(【出典】都道府県の相対的貧困率の計測と要因分析

子供の貧困について、ひとり親世帯数、離婚率、生活困難度という指標から見ていくと、経済的な面だけでなく多面的なサポートが必要であるということが分かってきます。

まず、ひとり親世帯数についてですが、母子世帯数は緩やかに増加しており、父子世帯数は減少傾向にあるものの、全国平均よりも多いです。また、離婚率に注目していくと、新潟県の離婚率は全国46位と低いです。このことから、未婚のひとり親世帯の割合が増えているのではないかと考えられます。

未婚のひとり親という状態は身近な人からのサポートを受けづらく、児童虐待のリスクも高めるということが分かっています。実際に、児童相談所で対応された児童虐待件数は増えており、認知件数が増えて良い方向になっているという意見もありますが、そうは言っていられない現状であると思います。(【出典】新潟県子どもの貧困対策推進計画本県の子どもを取り巻く現状(H29.11)

また、「生活困難度」は、子どもの生活における生活困難を以下の三つの要素から捉えている指標です。

(ア)低所得、 (イ)家計の逼迫、(ウ)子どもの体験や所有物の欠如

各要素の定義は以下の表のようになっています。

一般的に、東京都調査に倣って、3つの要素のうち、2つ以上該当する世帯を「困窮層」、1つのみ該当する世帯を「周辺層」、どれにも該当しない世帯を「一般層」と分類して、また、「生活困難層」は、「困窮層」と「周辺層」を合わせた層として、各地域で調査されるようです。新潟県においては、約4人に1人は生活困難層であることが分かっています(令和元年度)。

 

最後に

貧困という切り口から、子供の貧困、ひとり親、未婚、児童虐待といった問題が浮き彫りになっていきました。このように、貧困は世界的な問題でもあり、また、新潟県においても意外と身近な問題であるということが分かります。経済的な観点だけでなく、家庭環境全体を捉える必要がありそうです。家庭を大切にし、家庭内での子供の教育を支援することが、このような問題の解決の糸口になると考えます。

 

【連載 新潟の大学生発! SDGsから新潟の今を考える】

前回:【連載】新潟の大学生発! SDGsから新潟の今を考える「SDGsって何?」

初回:【連載】新潟の大学生発! SDGsから新潟の今を考える 第1回「SDGsの実現の先にある新潟の未来」

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