【新大と開志専門職大が連携】新潟大学有元ゼミが岩の原葡萄園(新潟県上越市)を訪問、桑原取締役業務部長が講話

講演会の様子

新潟大学経済科学部の有元知史准教授の有元ゼミはこのほど、岩の原葡萄園(新潟県上越市)を社会人学生を含む大学4年生の学生8人が訪問し、同社の桑原芳弘取締役業務部長の講話を聞いた。桑原取締役は同社の創業者である川上善兵衛氏のワイン造りに捧げた生涯を紹介した後、ワイナリーの経営環境や同社の営業戦略などについて語った。

新潟大学経済科学部の有元知史准教授の有元ゼミでは現代企業の研究を行っており、各チームが自由に研究のテーマを設定し卒業研究を行っている。今回の訪問調査は岩の原葡萄園のインタビュー調査から、同社がどのような経営を行っているかを研究することが目的。有元准教授、開志専門職大学事業創造学部の東城歩講師の研究テーマの1つである中小企業のネットワーク化を推進する要因について研究するためのケーススタディとして実施し、学生を中心に同社の経営環境や当面の取り組みなどのインタビュー調査を実施した。

第1弾として、今年6月に開志専門職大学東城ゼミの学生に企業の紹介、会計財務の視点からレクチャー講演、質疑応答が行われ、第2弾として、新潟大学有元ゼミの学生が岩の原ワイン様の現地を尋ね、企業見学、レクチャー質疑応答、ワインの試飲などを行った。今後は東城ゼミと有元ゼミの連携によって、ケーススタディとしてまとめていく方針だ。

東城講師は新大大学院修士課程で有元准教授の授業を受けた関係があり、東城講師と桑原取締役は、新潟市内の専門学校で講師をしていた元同僚同士。

岩の原葡萄園の石蔵で桑原取締役の説明を受ける新大生ら

桑原取締役は、「弊社オンラインストアは、昨年9月のミュージシャンとのコラボワイン発売後に初回購入者が増加している。その後に展開を進めているメルマガによる販売施策などが功を奏し、定期的にリピート購入する顧客も増えてきたため、今年1月から8月までのオンライン売り上げは前年比約3割増で推移している」と話した。

また、コロナ感染症以降、団体バスを利用した観光需要が落ち込んでいることにより、ワイナリーへの来園者が減少。この対策を含め、来園者への情報発信を強化することで岩の原の歴史やワイナリーの今を伝えることを目的に、今年8月から「岩の原ワイン公式アプリ」をスタートした。

学生からは「長期的な課題は何か」という質問があり、桑原取締役は「自社畑だけではワイン製造に必要な原料が不足する中、調達先である国内のブドウ生産者が減少しているので、安定的な原料調達が中長期的な課題。あとは当然ですが、ぶどう栽培と美味しいワイン造りには人の力が重要であり、人をどう育てるかです」と話した。

新潟大学経済科学部有元ゼミの学生ら

(文・撮影 梅川康輝)

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