県内の建設業として初、小柳建設(新潟県三条市)が「プラチナくるみんプラス企業」に認定 不妊治療と仕事の両立へ
小柳建設株式会社(新潟県三条市)がこのほど、従業員の子育て支援に加えて不妊治療と仕事の両立にも取り組んでいる企業として「プラチナくるみんプラス企業」の認定を受けた。県内の建設業では初。10月29日、同社の小柳卓蔵代表取締役社長が厚生労働省新潟労働局から認定通知書を受け取った。
くるみん認定は子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受けた証で、「トライくるみん」「くるみん」「プラチナくるみん」の3つの認定基準が設けられている。これに加え、「不妊治療と仕事の両立」を目指した制度を設けている企業には「プラス認定」が行われる。小柳建設は、くるみん認定の最高位である「プラチナ」と「プラス認定」を両方取得した形になる。なお、これまで県内で「プラス認定」を受けているのは、株式会社第四北越銀行(プラチナくるみんプラス)と株式会社アルゴス(くるみんプラス)の2社のみだった。
新潟労働局の千葉茂雄局長は「昨今、全国的にも不妊治療を受ける人が増えるなか、通院回数の多さや日程調整など、仕事との両立を困難に感じる労働者も多い。企業においても理解を深める取り組みが求められる」と話す。
小柳建設は2022年、「プラチナくるみん」に認定。年間31日を上限に1時間単位で取得できる「ファミリーサポート休暇」などの制度、不妊治療への理解を促す社内研修・社内ポータルサイトの特設ページ設置などの取り組みが認められ、今回の「プラス認定」に至った。同社の取り組みの詳細については、下記の新潟労働局のサイトを参照。
小柳社長は、不妊治療へのサポートも含めた環境の整備について「社員が自分たちで課題を拾い上げ、解決のために考えて仕組み化し、制度として整備してくれた」と話す。同社では課題抽出のためのアンケートも年1回行っている。
また、こうした働きやすさを考えた制度とその認定が、採用活動にも大きな効果をもたらしているという。「インターンシップや会社説明会で来た就活生から『休日が多いとか、残業はないと言っている企業はたくさんあるが、認定という証拠を持っている企業は初めて見た』と言われた。そういった部分で、新卒で来る若い世代にも安心感を持ってもらうことができる」(小柳社長)。
そして、「こうした認定をいただくと同業他社から言われるのが『そんなこと、できるわけない』という言葉。そうした時私は『できないと思っていたら、できませんよ』と返す。弊社ができているのであれば、どこの中小企業もできるはず。認定をいただいて終わりではなく、この休暇制度をしっかりと社員が使い、そして社外にも伝えていくことが非常に重要」(同)だと話し、発信によって業界や地域にも波及させていくことを語った。
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新潟労働局 「プラチナくるみんプラス認定企業として小柳建設株式会社を認定」
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