【ジープ島からの贈り物】〜自然と人が繋がる大切さ〜第4話「 世界一周(夢の始まり)」渡会和馬

(編集部注)この原稿は赤道直下のミクロネシア連邦チューク州からインターネット回線を通じて日本に送られています。

世界中の人に夢と幸せをフラッグに描いてもらった

人生で1番の大きな夢。生まれてから25年が経った当時の僕の1番の夢は、世界一周することだった。

そして、3年間かけて40ヵ国を巡り世界の夢や幸せを知る旅は僕にとって大きな変化をもたらしてくれた。

“やりたいことをやらない選択はしない”

世界を周り僕の心に1番、残った感情がこの想いだった。

先進国から発展途上国まで僕なりに色んな世界や自然、そして人に出会い涙が溢れる経験をした。

その中の一つがカンボジアでの出来事だ。

僕が関わらせていただいた団体では、数年前からカンボジアの支援をしており僕が参加する時に学校の開校式に立ち会うことができた。

その時に支援物資としてサッカーボールやノート、ペンなどを届けた。

その時にペットボトルを蹴っていた男の子にサッカーボールを、机に文字を書いて勉強していた女の子にはノートとペンをプレゼントとし、その子達に将来の夢を聴いた。

彼は言った。

「このボールを使ってサッカー選手になるよ」

彼女は、「ワクチンで命を助けてもらったからこのノートとペンでお医者さんを目指すの」と。

当時の僕には、2人の目が輝いて見えた。

間違いなく僕たち日本人より夢を叶えられる確率は低いだろう。しかし、2人の純粋な想いを感じ僕はこう思った。

「何故、僕は今までやりたいことをもっと挑戦しなかったんだろう」と……。

僕はできるかできないかに拘り過ぎていたように思う。そして、出来なかったらどうしようと考えていた。

違う。2人の様にやりたいことに夢にもっと素直にならなければいけない。でないと何も出来ない。

そう心の中から感じた。

そこからは、世界一周中に小さな夢から大きな夢までたくさん叶えた。

オーロラを見た。丸い氷でウイスキーをロックで飲んだ。マチュピチュ、ウユニ塩湖に行った。人と出会い本気で話した。

オーロラ

マチュピチュ

ウユニ塩湖

お金も時間も体力も気力も涙も沢山つかった。けれど、心はとても満たされていた。

過去の生い立ちから日本で生まれ育ち不幸だとも感じていた自分は、既にそこにはいなかった。

この旅を通して自分がいかに幸せで可能性に満ち溢れているかを知ったのだ。

世界は、広い。それは物理的なことだけではなく文化や想いなども含め訪れた国の数だけある。

しかし、どの国にもどんな人にも共通する大切なモノがあることをこの頃から感じ始めていた。

今頃あの男の子は、カンボジア代表のサッカー選手に近づいている気がする。

きっと女の子もお医者さんになる為の学校に通っているだろう。

夢は、叶えるまでの間が楽しかったりもする。だからこそ、心からやりたいという想いを持つことが何より大切だ。

想いだけでは、夢は叶わない。けれど、想いのない夢の達成は絶対にありえない。

僕にとって世界一周は、本当にやりたいことをやれた人生の中で初めての大きな一歩だった。

そして、これは夢の始まりである。

モンテネグロ

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