【自民など反対多数】東京電力柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例案、新潟県議会で否決される
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の是非を問う県民投票条例案は、4月18日に開かれた新潟県議会本会議で採決され、反対多数で否決された。
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原子力発電所については、6、7号機が2017年に新規制基準をクリアし原子力規制委員会により発出されていた核燃料物質移動禁止令も、2023年12月に解除された。2024年3月には、当時の斎藤健経済産業大臣が「再稼働については関係自治体と協議し、地域の理解を得るよう取り組んでいく」と発言。再稼働に向け動き出した一方で、国が発した「地域の理解」がその後の焦点となっていた。
そうした中で市民団体「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」が同年7月から県民投票条例の制定を求める署名運動を展開。2025年3月に集計された署名数は14万3,196筆(有効数)となり、3月27日に新潟県の花角英世知事宛に県民投票条例を求める本請求を行った。
花角知事は原発再稼働の是非を問う県民投票の実施について、明確な態度を示してこなかった。しかし4月8日に「『賛成』または『反対』の二者択一の選択肢では県民の多様な意見を把握できない」という「知事意見」を条例案に付記することを発表した。

署名簿は約15万筆集まり、そのうち約7,000の無効を除く14万3,196筆が有効とされ、花角知事に提出された
これを受け、新潟県議会では16日から臨時会を開き、県民投票条例案について審議を重ねてきた。
県議会では32議席を有する第一党の自民党が反対、これに真政にいがた(3議席)、公明党(2議席)がそれぞれ賛同。一方で国政野党系の未来にいがた(9議席)、リベラル新潟(6議席)などが県民投票条例案に賛成した。
18日は午前の特別員会でも県民投票条例案に対する議論が継続したが、情勢は変わらず。午後の本会議で、反対多数の否決となり、この結果により県民投票は実施されないこととなった。