【さといもと間違えて汁物に】新潟県上越市の飲食店でこんにゃくいもによる食中毒、14人が症状訴える
新潟県上越市の飲食店「ふるさと文化交流会館 大島庄屋の家」で、有毒植物のこんにゃくいもによる食中毒が発生した。さといもと誤ってこんにゃくいもを調理した汁物を食べた21人のうち14人が口腔内の刺激痛などの症状を訴えた。患者は全員快復している。
県の発表によると、事故は5月8日19時頃に発生した。同飲食店が事前に皮むきして細断し冷凍保管していたこんにゃくいもをさといもと誤認して汁物に調理し提供したところ、約10分後から喫食者に症状が現れ始めた。
症状を訴えた14人は男性8人(10〜60代)と女性6人(10代)で、うち12人が医療機関を受診した。入院した患者はいなかった。
上越保健所は、患者に共通する食事が同飲食店の提供したものに限られていたことや、未調理のいもを有識者が鑑別した結果、さらに患者の症状がこんにゃくいもに含まれるシュウ酸カルシウムによるものと一致することから、「こんにゃくいも入りの汁物」を原因とする食中毒と断定した。
上越保健所は同飲食店に対し、5月12日に1日の営業停止処分を行った。なお、同店は5月10日と11日は自主的に営業を自粛していた。また原因食品の除去や衛生管理方法の見直しを指示し、調理従事者に対する衛生教育も実施する予定だ。
県では、食材ごとに分けて保管し、調理前にもう一度確認するなど、取り違いによる食中毒の予防を呼びかけている。