【コラム第14回】NPO法人「越後まほろば倶楽部」が正式な歩み重ねて満2年!任意団体として活動始めてからは3年以上が経過! 竜哲樹(にいがた経済新聞社顧問)

春日山城の一角に立つ上杉謙信公銅像
NPO法人「越後まほろば倶楽部」が正式に誕生して、まもなく満2年が経つ。戦国の武将上杉謙信公の居城・春日山城の近くの上越市春日山町2丁目に住む志賀茂さん(同法人理事長)を中心に春日山周辺の有志らが立ち上げた。もともと志賀さんは春日山近くで「きのこ園」を営んでいたが、志賀さんらがこの地域を誰もが輝ける住みやすい暮らしやすい「真のまほろば」にしたいと願い望んで始めた。その輪が大きく広がり、現在法人2社を含め会員も53名に達した。なお、志賀さんらが“熱い思い”を燃やして、任意の団体として活動を始めてから数えると、早3年以上は経過するし、構想を温めてからの期間も入れると4年にもなる。春日山地域住民の皆さんに声を掛け、丁寧に着実に多くの仲間を糾合して来たのだ。
中でも「越後まほろば倶楽部」の中心事業は、①妙照寺跡・古道『師弟の路(みち)』の整備保全及び古道散策会・見学会の実施②そば畑オーナー制度や特産品開発③総構え木道の整備④小中学校などの総合学習プログラムへの協力⑤謙信公生誕500年に向けた取組⑥特産品まほろばロゴマーク―などの取組を通して、謙信公時代の里山の復元やくつろぎの空間創出を実現するとともに、魅力的な観光地づくりを目指そうとしている。なお、NPO法人の運営は会費収入や寄付金はもとより、森林資源交付金などの様々な交付金などの収益などで賄われている。

「越後まほろば倶楽部」が主催する4月20日の散策会(2班に分かれての1グループ)で春日山城の山頂から周囲の山々を眺める参加者達
その上で、最近は観光庁が「将来にわたって旅行者を惹きつける地域・日本の新たな観光資源となるレガシー形成事業」を通して、実現可能性調査や調査結果を踏まえたプラン作成などに取組むことになっているが、「越後まほろば倶楽部」が直接事業を行うわけではないが、同倶楽部もこの機会をチャンスと捉え、出来る範囲の中で協力することになろう。このレガシー形成事業については地方運輸局などが行い、その際上越3市などとも連携し、目指すところは地域で脈々と受け継がれてきた自然・景観・食・文化・遺産・人・アートなどの分野の取組みの推進を行っていくことになるものと思われる。
さて、「越後まほろば倶楽部」が発足して3年目に入っているが、地道にコツコツとハード・ソフト両面で活動を続けて来た。地域にあっても市全体にあっても、認知が広がって来たのだ。現時点では少数精鋭の中で事業対応が進められていることは事実だし、収益部分や実働部隊としての人手不足など課題も多い。例えそうであったとしても、“私達の戦国の英雄”である上杉謙信公生誕500年を5年後の2030年に迎えるとともに、そして2025年の本年が謙信公祭100周年となることから、これからも同倶楽部の仲間達は「『真のまほろば』を目指し、さあ!みんなで手を取り合って先ずは一歩前に踏み出しましょう!」との発足の原点に立ち返って、今後しっかり頑張ろうと再出発しようとしている。何とか、今後の同倶楽部の活躍に大いに期待したいものだ。もちろん必ずやってくれるものとして応援する市民も多い。そんな中、NPO法人「越後まほろば倶楽部」は5月18日、3年目に向けた第3回定時総会を迎えることになる。
竜哲樹
昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。