【新潟の救急医療拠点を守れ】済生会新潟病院が救急車買い替えのためクラファンに挑戦中
済生会新潟病院(新潟市西区)は、老朽化が進む救急車を更新するため、2025年4月21日よりクラウドファンディングを実施している。
同院は昭和2年に「新潟診療所」として新潟市田町に開設。平成3年に現在地に移転した。地域医療支援病院として、新潟市における基幹病院の役割を担うほか、臨床研修病院、災害拠点病院、赤ちゃんにやさしい病院、地域周産期母子医療センターなど様々な機能を有した、地域の核となる病院として在る。

新潟市西区の済生会新潟病院
同院は2024年度、のべ4,818台の救急車を受け入れた。これは2年前の1.5倍にあたり、新潟市民病院に次いで2番円の受け入れ台数である。県都新潟市において救急医療の依存度が高まっている。同院は2023年に「新潟市内における医療再編による新たな救急拠点の整備・運営主体」に選定され、2027年には年間8,000台の救急車受入を目指している。
同院で現在使用している救急車は、2018年に納車。「転院搬送」を目的とした役割ではなく、災害などの有事の際のDMATカーとして、新型コロナウィルスクラスター対応(ダイヤモンドプリンセス号など)や能登半島地震にも派遣されるなど八面六臂で活躍してきた。一方で走行距離が26万キロを超え、長年の稼働により車体の劣化が進み、故障のリスクが高まって良好な状態を維持することが難しくなってきた。今後は、新潟の救急医療の担い手として「転院搬送」にも活動の範囲が広がることになる。
昨今の物価高騰の煽りを受けながらも、安全かつ良質な医療を提供するため、施設設備をはじめとする医療機能の維持をしっかり行っていくため、様々な努力を重ねてきたが、すべての医療に関わる資材に予算を組むことが極めて難しい状況で、救急車の購入のための予算が確保できなかった。そこで救急車の購入のために、クラウドファンディングに挑戦したというのがここまでの経緯。
新しい救急車への入れ替えは、車両価格および搭載設備(医療機器等)に要する費用が概ね3,000万円かかる。クラウドファンディングではここまで第1目標に定めた1,000万円を5月19日に達成し、第2目標2,000万円を6月3日に達成。プロジェクトの最終目標である3,000万円を目指してクラウドファンディングを継続している。

DMAT救急車として走り続けた
同院の本間委員長は「新たな救急拠点のイメージは、『ER・断らない救急、重症者対応』、『年間救急車受入れ数は8,000台以上』であり、私たちにとっては非常に大きな挑戦です。どうか、地域の皆さまと共に、新潟の地域医療と救急医療を守り続け、災害医療に立ち向かうため、温かいご寄付を賜りますようよろしくお願い申し上げます」と話している。
クラウドファンディングの実施期間は2025年7月18日まで。達成できれば、2026年5月には新たな救急車が納車される予定。6月11日時点の寄付額は24,730,000円に達している。
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