博多うどん×寿司 再起を誓う料理人が開いた「-UDON- RYUKI」が新潟県長岡市にオープン

「-UDON- RYUKI」店主の山田克礼氏
本格的な博多うどんと、地元・新潟の旬の食材を活かした寿司とのペアリングが楽しめる注目の新店「-UDON- RYUKI(うどん・りゅうき)」が、2025年5月、長岡市東坂之上町にオープンした。福岡の伝統的な食文化と、越後の四季折々の味覚が織りなす新たな食の発信地として、話題を呼んでいる。
店主を務めるのは、福岡県出身の山田克礼(やまだ・よしあき)さん(51)。東京で行列のできるうどん店を営んでいたが、昨年、脳出血で倒れ療養生活に入った。リハビリを機に訪れた新潟の自然と食文化に惹かれ、長岡の地での再出発を決意した。
店舗の空間設計とプロデュースを手がけたのは、F&Bプロデュース株式会社の石田竜己(いしだ・りゅうき)さん(25)。木の温もりを活かした和モダンな店内は落ち着いた雰囲気に包まれている。「RYUKI」という店名も、石田さんの名前に由来している。
ランチでは、「出汁うどん」や「ぶっかけうどん」(各880円)といった、カツオとアゴ(トビウオ)の合わせ出汁を用いた香り豊かなメニューが並ぶ。温・冷の選択ができ、天ぷらや生卵など多彩なトッピング(100円〜)も楽しめる。口あたりが優しく、喉ごしの良い一杯は女性客を中心に絶大な支持を受けている。
なかでも一番人気の「ぶっかけうどん・冷(税込980円)」は、細めの平打ち麺につるりとした喉ごしと、しっかりしたコシをあわせ持ち、白ごまが香るさっぱりとしたタレと絶妙に絡む。まさに暑い季節にもぴったりの一杯である。途中で薬味を変えることで、味の変化も自在。食べ進めるごとに風味が広がり、最後まで飽きが来ない。
そして、うどんのお供にぜひ味わってほしいのが、サイドメニューの「かしわ天」である。衣は驚くほど軽やかで、ひと口かじると中からむっちりとした弾力とともに、じゅわっと鶏肉のうま味があふれ出す。余分な脂や臭みがなく、しっとりとした食感が際立ち、うどんとの相性も抜群だ。
「博多うどんといえば柔らかい印象が強いですが、当店では“ほど良いコシ”のある独自の食感にこだわっています」と語る山田さん。うどんには、福岡県糸島産の希少な小麦「チクゴイズミ」を使用し、香りと食感を両立させている。

ディナーメニューの6,600円コース。3,300円コースもある。
夜のコースでは、うどんと寿司という珍しい組み合わせが楽しめる。価格は3,300円と6,600円の2種類で、カボス香る冷製うどんを皮切りに、アユの甘露煮、大口レンコンの天ぷら、ボタンエビやメジマグロの刺身、南蛮エビの寿司、アワビの肝醤油ソテーなど、新潟の海と山の幸が彩りを添える。仕事帰りのビジネスマンにも好評だ。
コースのはじまりを告げる冷製うどんは、ほどよい酸味が、食欲をやさしく呼び覚ます一品。続くアユの甘露煮は、骨までやわらかく炊き上げられており、箸を入れるとほろりと崩れる。川魚ならではの香ばしさに、甘辛いタレがしっかりと絡み、余韻のある滋味が口いっぱいに広がる。大口レンコンの天ぷらは、外はカリッと香ばしく、中はホクホクとしたやさしい食感。軽やかな衣がレンコンの甘みを引き立て、うどんとの相性も申し分ない。
そして、刺身には、ボタンエビのとろけるような甘さと、メジマグロのしっとりとした赤身のうま味が光る。いずれも鮮度が際立ち、わさび醤油を軽くつけるだけで素材の良さが堪能できる。
「まずは県内の方にこそ、ぜひ味わっていただきたい」と語る山田さん。地元・長岡の食文化に、新たな風と価値観をもたらす旗手として、「-UDON- RYUKI」の挑戦は、始まったばかりである
(文・写真 湯本 泰隆)
〈店舗情報〉
店名: -UDON- RYUKI 長岡店
住所: 新潟県長岡市東坂之上町1-3-3 ベルエア東坂之上 103
電話: 0258-84-7027
営業時間:
・水〜土 ランチ 11:30〜14:30/ディナー 18:00〜22:00(最終入店 19:30)
・日 ランチ&ディナー 12:00〜20:00(最終入店 18:15)
定休日: 月曜・火曜
公式サイト: https://udon-ryuki-japan.com