【キシャメシ】まるしん(新潟市江南区)のマーボー麺の、何がそんなに凄いのかを思い知る
最近のオサれ具合がすごい、新潟のマーボー麺である。
新潟でマーボー麺の有名店と聞いて、1番か2番に出てくるのは、ここ江南区のラーメン工房まるしんに違いない。相変わらず平日の昼時は、新潟中の外回りサラリーマンが押し寄せる大人気店。記者ももちろん、幾度となく世話になっているし、定期的に食べたくなる店だ。
今やすっかり「マーボー麺の店」と認知されているが、実はまるしん「つけめん」と「マーボー麺」の二本柱なのである。

おなじみの外に向いたカウンター席
しかもマーボー麺も「マーボー麺」「汁なしマーボー麺」「マーボー麺カレー風味」とある。カレー風味はまだ食べたことがない。食べたことないし惹かれるのだが、やっぱりいつも食べている「汁なしマーボー麺」(税込950円)で行かせてもらう。汁なしマーボー麺は大盛が1,000円でお得なのだが、並盛のボリュームを知っている記者は、これで十分なのだ。

汁なしマーボー麺(税込950円)
記者はなぜいつも「汁なし」なのか。それは麺と麻婆の絡み(辛みではない)が好きすぎるからだ。丼の底に箸を突っ込んで、麺を持ってこようとすると、箸が折れそうになるほどの濃厚な絡み方、そしてまるで宇宙戦艦ヤマトの最初のように、麻婆の中から全貌をもたげる姿。このカオスな絡みは、汁なしマーボーでなければ味わえない。麻婆濃度が濃ければ濃いほどよい。

この麻婆で、麦のロックとか飲みたいなと、いつも思う
ややあって着丼。どうすかこれ。汁なしマーボー麺の丼は、普通のマーボー麺に比べて浅めだが、それでも表面積は小ぶりな洗面器くらいはある。
まずはレンゲですくって麻婆を単体で味わう儀式。これまで幾度となくやってきた。相変わらず、んんんめぇなぁ、おい。なんだろう、ここの麻婆はいわゆる四川風のシビ辛ではない。ひょっとすると、一口目は甘辛を感じるほどマイルドな口当たりだが、なんか奥底の方にしっかりめの辛みがある。ずんと来る辛み。やはり気温35度近くの夏に食べるマーボー麺は最高。スカッと汗をかける。

どうすか、この肉肉しい粗挽きな麻婆
そして麻婆がね、もうなんというかプルプルなのよ。言い方は難しいのだが、「あんかけ状」を通り越して「ゼラチン」に近いくらい「固い」。このプルプルとした固い麻婆から麺を引き出して喰らうのが、まるしんの汁なしマーボー麺の醍醐味だ。麺に麻婆が絡みに絡む、まとわりつく。
さらに、かなりの粗挽きな挽肉がもう、良すぎる。ここまで肉々しい麻婆、なかなかない。「麻婆豆腐って肉料理だったんだなあ」と再認識する。豆腐もざっくざっく入っている。
麺は中細の部類か。取り立ててどう、という麺ではないが、個性派の麻婆とよく調和する麺だといえる。このバッテリーだから良いのだ。それをわかりやすく感じるため、記者は汁なしマーボー麺から離れられない。

麻婆の強い個性を受け止めるのが麺の役目
まるしんがこれだけ長く支持されるのは、麻婆の個性が際立つにもかかわらず、全体的なバランスが実によいからではないか。まるしんに来て、もちろん毎回ウマいのだが「物足りないな」と思ったことは、たぶん一度もない。それは単純な量の話ではなく、トータルな満足感だ。
ああ、やっぱ相変わらずウマいや。
(編集部I)
【らーめん工房 まるしん】
新潟県新潟市江南区早通5丁目1−2
営業時間 11:00~14:00
定休日 月曜日
<グーグルマップ「ラーメン工房 まるしん」より>