【記者ノート】三原田組 将来を見越し、現在の「砂利採取業」から「建設現場で発生する残土受入業」への新たな転換を図る

建設現場で発生する残土を受入れる三原田組の砂利採取現場の予定区域
新潟県上越市清里区で74年にわたり総合建設業を展開している株式会社三原田組。同社では土木事業や生コン製造販売業とともに″三本の柱″が砂利採取製造販売業であるが、近年砂利採取の生産・出荷量が30年前の3分の1程度に縮小しているうえ、盛土規制法や県条例による認可のハードルが高まって来ていることから、同社では将来を見越し、「砂利採取事業」からは撤退し、建設業者から受入れた残土を現在の砂利採取現場(跡地)に埋め戻すという″新しい事業″への転換を図ることになった。
既に残土受入事業が始まっており、そのため受入事業がスタートすることで砂利採取販売の方は今年中に終了したいとしている。三原田誠社長は「公共工事が減少している中、今後の我が社の将来を見通した時、今のうちに転換を図った方がいいのではないか」と決断の背景を語る。
併せて、「と言うのも、熱海市での違法な盛土が土砂災害を引き起こすなどしているほか、区域外からの土砂搬出されることに対する地元住民の目も大変厳しくなっている」とも説明する。そのため、受入先も建設発生土受入現場(現在の砂利採取現場)から半径50㌔程度に限定したいとしている。
確かに現在も今後も建設現場で発生する残土などの処分は建設業者も大変困っているのが実態であり、今回三原田組が行う残土の受入れを期待する地元建設業者も多い。とは言え当然ながら汚泥等の産業廃棄物は受入れず、あくまで建設工事で発生する残土のうち第1種~3種の建設発生土に限り、現時点では受入可能総数量を260万立方㍍を見込んでいる。しかも砂利採取で掘削した現場が最終的には、残土(建設発生土)の受入れ後の80~90年先には元の山の状態に戻っていくことを期待している。
これからも建設工事で大量の残土が発生することも予想され、大量の残土処分に頭を痛める建設業者、その際残土が法に則った処分方法ならいざ知らず、こうした残土の持込で地元住民の不安を助長するようであっては決してならず、三原田社長も「建設業者の皆さん、更に地域住民の皆さん、この両面・両者の皆さんの悩みを解決する一助になれば幸いであり、残土受入という私達だからこそ出来る地域貢献活動に、これからも挑戦し続けていきたい」ときっぱりと述べている。
竜哲樹(にいがた経済新聞顧問)