【第1期開発で700億円投資】ペイシャンスキャピタルグループが説明 協議会を初開催
外資系不動産投資ファンドのペイシャンスキャピタルグループ(東京都)が新潟県妙高市の妙高高原地域などで進める大規模リゾート開発と協働した地域経済の活性化に向けた取り組みを推進するため、関係者間で相互の取組や方向性を共有する連携の場として、7月15日、「妙高ノ原マウンテンリゾート開発計画連携地域活性化協議会」の第1回目の会合が妙高市で開催された。
ペイシャンスキャピタルグループは不動産投資ファンドであり、国内では大手都銀のほか、第四北越銀行(新潟市)、八十二銀行(長野県)などの金融機関、機関投資家が出資している。
当日は、構成団体であるペイシャンスキャピタルグループ、妙高市、新潟県上越市、新潟県糸魚川市、新潟県佐渡市、えちごトキめき鉄道株式会社、頸城自動車株式会社、佐渡汽船株式会社、公益財団法人新潟県観光協会、株式会社第四北越銀行、新潟県の約50人が出席した。
第1回会合では、ペイシャンスキャピタルグループによる開発理念などの説明が行われ、「第1期のホテル概要は9月以降に規模感を今より詳しく発表できる。現在ホテルのブランド確定を急いでやっている。9月以降の発表になるかもしれないが、商業施設も決まってくる」と説明した。
建築概要は一般向けには初公開。取得用地は300haで、2028年12月オープン予定の第1期の開発で700億円の投資を予定している。
建築概要は、第1期では、A棟がホテル、ブランデッドレジデンス(延床面積2万7,000平方m)、B棟が商業エリア(延床面積5,000平方m)、C棟がホテル(延床面積1万3,000平方m)、D棟が商業エリア、スキーセンター(延床面積2,000平方m)で、温泉も現在掘削中。A棟は5つ星の想定で、C棟は違うターゲット層の想定だという。
一方、2034年12月オープン予定の第2期は、E棟がホテル(延床面7,700平方m)、F棟がホテル(延床面積1万4,300平方m)の予定。
ペイシャンスキャピタルグループのケン・チャンCEOはシンガポールからオンラインで参加。「今年の第3四半期か第4四半期あたりで、計画も固まってくるので共有する。ここから来年、再来年でかなり開発が進んでいくので、一緒に手を合わせてこの開発をぜひ成功させていただきたいと思っている」と語った。
ペイシャンスキャピタルグループの入江大シニアマネージングディレクター日本副代表は、「われわれのホテルなどは決して富裕層向けではなく、アニバーサリーでの利用など洗練された上質なリゾートを形成する。そのため、一般の方や地元の方を排除しない」と話し、また、インパンクト投資(社会的な課題の解決を図るとともに、経済的な利益を追求する投資行動)が必要だとして、持続化可能な地域開発や広域観光連携を強調した。
さらに、「通年雇用ではなくなる出稼ぎ村的な環境にあるニセコのようにはならない。この開発では、グリーンシーズンも事業者にやってもらい、オールシーズンのリゾートにする。一方で、働く人が足りないことが予想されることが問題。一丸となって人の問題をサポートしていく。企業は収益、行政は税収を上げることに繋がり、妙高のエリアブランディングをしていく」とも語った。
(文・写真 梅川康輝)