「トランプ関税」に対するアンケート調査を実施(帝国データバンク新潟支店調査)

報道資料より

株式会社帝国データバンク新潟支店はこのほど、新潟県 480 社を対象に、「トランプ関税」に対するアンケート調査を実施(調査期間:2025年 6月17日〜6月30日、インターネット調査)し、7月28日にレポートを公表した。調査対象は新潟県 480 社、有効回答企業数は 239 社(回答率49.8%)。

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それによると、トランプ関税に対する具体的な影響について尋ねたところ、短期的な影響では「原材料コストの上昇」が 63.0%と突出して高かった。また、「売り上げの減少」(46.7%)と「物流コストの上昇」(45.7%)が 4 割台で続き、以下、「輸入品コストの上昇」(39.1%)、「サプライチェーンの混乱」あ(22.8%)などが続いた。

多くの企業がコスト上昇の影響を危惧しており、複雑に絡み合うグローバルなサプライチェーンを通じて調達する原材料や部品のコストが上昇する可能性に対して、極めて強い危機意識が表れた。加えて、日本 製品に関税が課された場合、米国市場における販売価格は上昇し、それによる価格競争力の低下から輸出量の減少や市場シェア低下が予想されることから、売り上げ減少への危機感も強く表れた。

また、中長期的な影響について尋ねたところ、短期的な影響と同様に「原材料コストの上昇」(54.7%)や 「売り上げの減少」(41.1%)、「輸入品コストの上昇」(33.7%)、「物流コストの上昇」(31.6%)などが上位に並んだ。

トランプ関税に対する短期的および中長期的な影響については同様の傾向を示しており、企業は一時的な影響ではなく、構造的、継続的な課題として認識していると言え、長期に影響が及ぶことを示唆している。

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トランプ関税に対する対策(今後の可能性も含む)の有無について尋ねたところ、「取り組みあり」と回答し た企業は 39.7%と約4割となった。他方、「特に取り組んでいない」は 58.2%と6割近くにのぼった。

さらに、取り組みがあるとした企業に対して、具体的な対策(今後の可能性も含む)について尋ねたところ、「価格転嫁」が 53.7%で最も高かった。次いで、「原材料コストの削減」(24.2%)が2割台となったほか、「製品やサービスの付加価値を高めることによる競争力の強化」(16.8%)や「新規市場の開拓」(15.8%)、 「原材料などの調達先の変更」(13.7%)などが続いた。

収益確保の観点から価格転嫁やコスト削減、競争力強化が上位に並んだ。他方で、米国での事業に関する見直しや現地化の動きは県内企業では現時点ではなく、慎重な姿勢がうかがえるとレポートではまとめている。

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