岩塚製菓が長岡に新工場 西部丘陵東地区に進出決定 長岡市と協定締結
新潟県長岡市に本社を置く大手米菓メーカーの岩塚製菓株式会社は、長岡市西部丘陵東地区に新たな製造拠点を設ける方針を固め、長岡市と進出協定を結んだ。
2025年7月28日、アオーレ長岡にて協定締結式が開かれ、同社の槇大介代表取締役社長と磯田達伸市長が出席した。

岩塚製菓株式会社の西部丘陵東地区への進出が決定した
今回の工場建設は、5月に発表された中期経営計画に基づく取り組みの一環で、2030年度に売上高340億円を目指す目標達成に向けた戦略的な投資と位置づけられている。新工場は、約1.8ヘクタールの敷地に延べ床面積1万平方メートルの2階建てで建設され、2027年着工、2029年3月の操業開始を目指す。土地の取得費は約1億3000万円、総工費は60億〜80億円の見込みだ。主力の沢下条工場から一部の生産機能を移管しつつ、新ラインの導入で生産体制を強化する。その他、工場の詳細な生産体制や雇用人数、旧工場の再編スケジュールなどは引き続き検討中だが、地元建設業者の活用も含め、地域との連携を深めながら事業を進めていく方針だ。

岩塚製菓の進出予定地
進出先の西部丘陵東地区には、現在まで5社が進出しており、岩塚製菓が6社目となる。同社の参入によって、長岡市がUR都市機構から取得した土地の区画は、これですべて完売したことになる。今回の同社の進出により、ヨネックスや株式会社大森ホールディングスなどと共に多くの上場企業らが軒を連ねることとなり、今後、同地区は長岡市を代表する産業集積拠点となる見通しだ。
今回の工場進出に関しては、物流や既存工場との連携、取引先の近接性などを考慮し、立地を決定。槇代表取締役社長は「既存の工場ではこれ以上の増設が難しく、増産を目指すうえで新拠点の整備は不可欠だった」とした。
これまでも同社は、地元農家との連携による長岡産米の活用や、長岡市との連携によるスマート農業の導入など、地域密着型の新しい取り組みに挑戦してきた。また、8月30日には新潟県長岡市越路中沢地区に直売拠点「お米となかよしパーク」の開設も予定しており、グループ商品の販売を通じて観光交流の拠点としての活用も検討されている。
磯田市長は同社の決定について、「長岡の地で新たな大型投資を地元企業が決断してくれたことに感謝している」と述べ、今後の地域における雇用の創出、地域経済の活性化に期待を示した。
(文・写真 湯本泰隆)