新潟県内のスタートアップ連携へ新ファンド エスイノベーション、県内企業との連携を後押し
エスイノベーション株式会社(新潟市中央区)は7月29日、県内のスタートアップや第二創業を目指す企業と中核企業の連携を促す新ファンド「地域イノベーションテック新潟1号ファンド」の設立を発表した。
同社はこれまで、県内中核企業の新規事業開発やオープンイノベーションの推進に取り組んできた。同ファンドは、こうした企業と新規事業に取り組むスタートアップの成長をつなげる新たなモデルとなる。
出資者には、株式会社遠藤製作所(燕市)、株式会社テレビ新潟放送網(新潟市中央区)、ナミックス株式会社(新潟市東区)など、スタートアップとの連携や育成に積極的な事業会社が名を連ねる。
投資を受ける企業は資金だけでなく、県内の有力企業が持つノウハウやネットワークを活用できる。
本ファンド(正式名称「地域イノベーションテック新潟1号投資事業有限責任組合」)は、新潟県が直面する労働人口減少や後継者不足、新産業創出、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進などの課題解決を目的とする。
投資対象としては、アグリテック、フードテック、ロボティクス、AI活用、ヘルスケアテック、MaaS(サービスとしてのモビリティ)などを想定。高専や大学など教育機関と連携し、学生発スタートアップの創出も視野に入れる。
出資者だけでなく、県内の企業や金融機関、行政とも連携。実証実験の支援やサービス導入の促進、顧客紹介などを通じて、地域産業の活性化を目指す。イグジット(投資回収)方針としてはIPOよりも次世代への事業承継に重点を置くのも、本ファンドの特徴だ。
同社は今後の展望として、「投資を通じて社会課題解決型のファンドモデルを構築し、他県にも再現可能な形で展開していく」としている。