寺泊温泉の老舗旅館が「食べるアート」料理で再出発

夕日に輝く波と佐渡島をイメージした新潟産蟹のクロケット/@Pressより
新潟県長岡市の温泉宿「寺泊温泉 北新館」はこのほど、料理人・橋本久信氏監修の特別料理の提供を開始した。約100年の歴史を持つ同館が、料理の全面刷新により経営改善を図る。
同館は2色の自家源泉や新潟・寺泊の地魚を生かした手作り料理に定評があったが、温泉地としての知名度の低さや価格設定の難しさから、長らく慢性的な赤字体質に悩まされてきた。高単価でも満足してもらえる客室を備えているにもかかわらず、それを十分に生かしきれていない現状を打破するため、日帰り入浴の受け入れを終了し、宿泊客により静かで贅沢な温泉時間を提供する宿への転換を図った。

冬の海岸にふわり舞う「波の華」をイメージしたお造り/@Pressより
新メニューは寺泊や新潟の食材、食文化をベースに構成され、寺泊の名物ベニズワイガニに焦点を当てた料理が柱となっている。冬の海岸にふわり舞う「波の華」をイメージしたお造りや、夕波と佐渡島をイメージしたベニズワイガニのクロケットなど、視覚と味覚の両方で風土を感じられる工夫を施した。フレンチのような洗練された見た目だが、温泉宿のくつろぎにふさわしく箸で食べられる「ほっとするごちそう」を目指したという。
料理を監修した橋本久信氏は「吉祥開運亭無尽蔵」「鳥遊ぶ森の宿ふたり静」「天空の森」など数々の名旅館で料理長を歴任。「感動を呼ぶ料理」「食べるアート」と称される創作料理を得意とし、これまでにJTBトラベル、じゃらんnet、楽天トラベルアワード、一休.comなどで、数々の受賞歴を誇る。

自然と調和する和モダンの部屋/@Pressより
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