【記者ノート】″平和″を願い、上越市でも企画展『戦後80年上越と戦争の記憶』を開催。市内全域から収集された歴史資料などを展示! 別会場では非核平和友好都市宣言30周年の『平和展』も開催中

上越市立歴史博物館に展示されている戦争当時の歴史資料
今年は戦後80年で全国の自治体でも様々な取組が行われている。そんな中、上越市でも市内全域から集められた軍服や鉄カブト、出征のぼり旗、防空頭巾、愛国婦人会たすき、国民服、防毒マスクなど当時の歴史・民俗資料など約100種類150点余りが展示されている企画展『戦後80年上越と戦争の記憶』が開催されている。日中戦争から太平洋戦争へと突入した時代であり、上越地域も戦時一色となっていたことをそうした歴史資料などからその記憶が思い出される。なお、この企画展は10月13日まで上越市立歴史博物館で開催されている。展示解説会は8月9日、10月4日にともに午前10時から開催される予定。
当時の歴史資料などは同館二階の企画展示室に並べられており、「出征」、「銃後」の二部に分けてあり、分かりやすく当時の過酷な戦争時を思い起こせるような工夫した展示となっている。私が訪れたこの日は夏休みでもあり、母親が小学生を連れて訪れ、一つ一つ丁寧に我が子に説明している姿が印象的だった。花岡公貴館長も「多くの市民の皆様からも貴重な歴史資料を届けて戴き、ほとんどが当館の所蔵となっている。市内外の多くの皆様からご覧戴きたい。戦後80年の節目に上越地域の個人と地域社会が経験した『戦争の記憶』を知り、改めて平和の尊さも感じて戴きたい」とも語っている。

小川未明文学館で開催中の平和展の核兵器の恐怖を訴える写真展示など
また、別会場の小川未明文学館でも恒例の「平和展」を開催されており、特に今年は戦後80年・非核平和友好都市宣言30周年事業として、「核兵器と戦争」をテーマにしたコーナーが多く設けられ、広島市や長崎市の原爆被害の実情の写真や説明展示のほか、広島県の高校生の原爆の絵なども展示されている。更に県内では初めて死者3人などを出した直江津空襲(昭和20年5月5日)に関する展示や市内在住の戦争体験証言動画上映、直江津捕虜収容所や集団疎開の模様、名立機雷爆発事件(昭和などに関連する展示も行われている。こちらでも核兵器がもたらす人類への恐怖が分かりやすく訴えられ、平和への想いをつなぐものとなっている。この平和展は8月17日まで開かれている。
竜哲樹
昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。
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