終戦から80年 長岡まつり開幕 灯籠流しと慰霊神輿、白菊に平和の願いと祈りを込めて

新潟県長岡市の夏の風物詩「長岡まつり」が、2025年8月1日(金)に開幕した。空襲からの復興を祈念して始まったこの祭りは、今年で80年目を迎える。この日は「長岡市恒久平和の日」とも定められており、JR長岡駅前一帯で恒例の「平和祭」が行われたほか、市内各地でも平和を願うさまざまな催しが展開された。

午後7時からは、空襲で多くの長岡市民が犠牲となった柿川で灯籠流しが行われ、参加した市民はそれぞれの思いを胸に、静かに手を合わせていた。

灯篭に向かって、静かに祈りを捧げる姿も

新潟県長岡市内から灯篭流しに参加した50代女性は、「世界平和でみんなが幸せに過ごせるように」願った。また、一緒に参加した友人女性(50代)は、数年ぶりに灯篭流しに参加。「久しぶりに参加したら、人の数が増えていてびっくりした。以前参加したときは、こんなに人がいなかった」と驚く。同じく長岡市内から家族とともに参加した50代女性は、「世の中色々なことがあるが、安全に幸せに暮らせるのが一番。最近は来る機会がなかったが、今回ようやく参加できた。(灯篭流しは)ずっと続いてほしい」とした。

灯篭流しは、例年にも増して、多くの市民が参加した

 

老若男女様々な姿があった

 

恒例の「大民謡流し」も行われた

 

暑さのなか、レッドブルを配る人の姿も

午後8時50分からは、「越後長岡慰霊神輿渡御」と悠久太鼓の共演が厳かに執り行われた。まちを復興してきた先人たちへの感謝と慰霊の想いを込めて、20団体・約2,500人が各々の神輿を担ぎ、力強く大手通を練り歩いた。担ぎ手の一人として、神輿渡御に参加した長岡青年会議所の南雲健一さんは、「いろんな人たちとこの活力を通じて、友達になってもらいたい。こういう場で生まれた繋がりが、新しいものを生み出す原動力になる」と、神輿の担ぎ手たちに向けて語った。

「繋がりをいかして」と語る南雲健一さん

 

迫力のある神輿渡御

 

多くの市民が楽しんでいた

22時30分には、空に浮かぶ尺玉花火3発とともに、慰霊の想いを込めた「白菊」が静かに打ち上げられ、初日を締めくくった。

今年も白菊が空に大きく咲いた(写真は、渡辺芳夫氏提供)

8月2日・3日には信濃川河川敷で「長岡まつり大花火大会」が開催予定。今年は11年ぶりに土日に重なる日程とあって、例年以上の人出が見込まれている。

(文・写真 湯本泰隆)

 

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