義を重んじた上杉謙信公の愛刀・国宝『無銘一文字(山鳥毛)』の特別展示、13日から始まる(12日内覧会を実施)!

特別展示された謙信公の愛刀・国宝『太刀無銘一文字(山鳥毛)』(上越市提供)
謙信公の愛刀・国宝『太刀無銘一文字(山鳥毛)』(岡山県瀬戸内市所蔵)が第100回謙信公祭を記念して、特別展示とした13日から24日まで上越市立歴史博物館で展示されるが、12日午後1時半過ぎから内覧会が開催され、中川幹太市長はじめ来賓などのほか報道関係者らが参加、来賓らは各班に分かれ合計で約150人が観覧した。内覧会参加者達は「今回山鳥毛は4世紀余りを経て、謙信公のふるさと、上越市に帰って来たことから、何と言っても市民の宝でもあり、とても華やかな美しい魅力に感動した」と感想を述べるなどしていた。
山鳥毛は全長110.2㌢、刃長79.5㌢、反り3.4㌢で、鎌倉時代中期の福岡一文字派の作で、長尾憲景から上杉謙信に贈られ、優れた鑑刀眼の持ち主として名高い謙信公・景勝公が愛蔵した。山鳥毛の名は、刃文が山鳥の羽毛のように見えることから、名付けられたとされている。
吉備国際大学の元教授の白井洋輔氏は「名刀は所有者の哲学を映し出す鏡でもあり、義を重んじ、内に燃えて外には無益な争いを避け、己の生き様を貫いた二人の名将に相応しい一振りと言えるだろう」と分析評価している。

内覧会で報道陣に話す中川幹太市長(上越市提供)
なお、13日から始まる山鳥毛の観覧は事前申込制で、申し込みは市民枠・一般枠に分けて行われることからこの日の内覧会は、展示会のリハーサルも兼ねており、1グループ当たり4人ずつを基本にしており、一人一人の観覧時間は2分間となっている。申し込みに合わせて13日から24日まで12日間で、市民枠・一般枠合わせて1万2千人(市民枠960組1930人・一般枠2040組3617人)が観覧を予定している。
この山長毛は7年余り前、上越市も取得を目指し交渉したものの、市の提示額3億2千万の提示額に当時の所有者が応じず、決裂し断念した経緯があり、その後現在の所有者の瀬戸内市が市の予算のほかクラウドファンディングなども行うなどして5億円で取得したという。今回瀬戸内市から借りることが出来、上越市は第100回謙信公祭特別展示として約1000万の予算計上していた。なお、23日から始まる第100回謙信公祭には、瀬戸内市の武久顕也市長も参加予定とのことだ。
竜哲樹
昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。
【関連記事】
【記者ノート】ため池だよりの中山間地の稲作農家は、41日ぶりの″恵みの雨″に大喜び! 他の山間地でも60年を遡る前から用水組合をつくり、渇水を乗り越えている所も水利の立地の違いで
【記者ノート】″平和″を願い、上越市でも企画展『戦後80年上越と戦争の記憶』を開催。市内全域から収集された歴史資料などを展示! 別会場では非核平和友好都市宣言30周年の『平和展』も開催中