【生まれてこのかた北区民ですわ】新たに就任した青柳正司県議会議長、積み重ねた政治経験と飾らない素顔

第104代新潟県議会議長に選出された青柳正司県議
2025年7月7日に開かれた新潟県議会6月定例会最終日に、新潟県議会の新たな議長に青柳正司氏(新潟市北区選出)、副議長に笠原義宗氏が選出された。
新潟県議会第104代議長に就任した青柳議長は新潟市北区選挙区の選出で、当選4回。県議になる前は、市議を3期(当選4回)務めており、議会人としての経験は豊富だ。議会を離れては、一級建築士の資格を所持し、建築事務所のオーナーでもある。
県議会議長室に青柳氏を訪ねた。
― あらためて、新潟県議会第104代目の議長に就任された率直なお気持ちをお聞かせください
青柳議長(以下略)県議会を代表する職。その重責はつくづく痛感している。新潟県議会が直面している喫緊の課題も様々にある中で、しっかりと向き合っていきたい
― 新潟県議会が直面する目下の大きな課題と言えば?
まずは、新潟県の人口減少、人口流出の問題。人口減は国全体の問題でもあるが、明解な答え、特効薬は見つかっていない。かといって議会人としては手をこまねいているわけにはいかない。
個人的には、いったん新潟から出ていった若い人を呼び戻せるような「地元の誇れるもの」を創設することも必要だと思う。潜在的には幼い時期を過ごした新潟が落ち着くという感情は、誰しもが持っていると思うので。そうしたものを考えていくのは我々の重要な役目だ
― 喫緊で言えば東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題に対する新潟県議会の姿勢も注目されます。現段階で圧倒的与党多数の新潟県議会は「県民投票を実施しない」という花角英世知事の考えを支持する形となっていますが
科学的な検証ももちろんだが、県民としての感情を無視するわけにはいかない。イエスかノーの単純な二元論で決める問題ではない、というところで我々は知事の考えを支持した。「県民の声に耳を傾けないのか」とおしかりを受けることもある。私としては「これから熟議が始まる」のだととらえている。だから「大変な時に議長になったな」というのは、正直ある。こういうタイミングで議長になったのも、与えられた役目なのだろう
― 先の参議院選挙では自民・公明が大きく議席を減らし、衆参ともに少数与党となりました。一方で新潟県議会は自民党県議団の議席が圧倒的。国政と県政でネジレが生じていますが、地方から見てやりにくい点などありますか
我々は我々の議会活動を通して地域で評価されて、それぞれ選挙で選ばれて議会に来ているわけだが、その中にはやはり「国とのパイプ」に期待されている面もある。自民党が強かった時代には国の予算措置や制度改正などについて要望が通りやすかった面もあるが、現在の国政は野党が強いので簡単にはいかない。自民党多数の県議会に向けられる県民の目も当然厳しくなる。厳しい目で見られることは決して悪いことではなく、我々もまた熟議の県議会にしていく必要はある。一方でスピード感が求められる局面には、もちろんスピード感をもって対処していかなければならない
― 青柳さんは新潟市北区の選出ですが、生まれも育ちも?
松潟という比較的端に位置する場所で生まれた。新井郷川を挟んで旧豊栄の。結婚してから豊栄の県営住宅に住んで、それから何年か経って現在の新崎に移り住んで。生まれてから現在まで北区から出たことがない。北区特産の農産物や農産加工品は、一地域住民としても自慢。北区の農業も、後継者不足に悩んでいることは確かだが、他のところよりは良いように見える。生産組合化が進んでいるし、比較的「稼げる農業」を実践している例が多い
― 県民にとって頼れる県議会になるために、どんな議会運営を目指したいですか
やはり開かれた議会を実現したい。不必要な垣根を作らずに子供からお年寄りまで多くの県民が意見できるような。それを調整するのが私たちの役目。
議会では多くの議論が活発化する1年になると思うが、時には仲人役や抑え役として奮闘したい