「組合」ってなに? ~組合の正体~ 勝島一真(税理士・行政書士)
ビジネスカツシマの勝島一真です。私たちビジネスカツシマグループでは、開業支援業務、税理士業務、経営・財務会計コンサルティング業務、行政書士業務、事業承継・M&A業務、それぞれの分野を特化させて専門性を磨き経営のお役にたてるビジネストータルサポートを目指しております。
ここ何回かのコラムでも「消費税」について触れましたが、今世界はトランプ関税によっていろいろと対応を迫られています。
先日のニュースでインドも消費税を10月までに減税し経済活性化を目指すという記事がありました。
ちなみにインドの消費税は4段階の複数税率(日本は10%と8%の2段階)が導入されています。
28%(最高税率 ):エアコン、自動車、チョコレートや高級宿泊施設など
18%(標準税率 ):電話、レストラン、テレビ
12%(軽減税率1):空調のないレストラン、建設業、携帯電話
5%(軽減税率2):砂糖、紅茶、コーヒー、医薬品
とても興味深いのが、
空調のあるレストランで食べると消費税が18%
空調のないレストランで食べると消費税が12%
このように各国の文化や特色が税金からも感じることができます。
今回のインドの消費税減税策は28%と12%の税を廃止し18%と5%の2段階制にすることを検討しているようです。
インドはとても人口が多い国ですが、世界情勢にあわせて柔軟に対応するまでの決定と実行のスピードがとても速い国という印象があります。インドの勢いやエネルギーはこういうところから感じるのかもしれません。
またインドは第二のシリコンバレーといわれるくらいIT企業をはじめ外資導入など積極的におこなわれており、外資企業のスタートアップもしやすい環境が整備されています。
日本ではあまり普及していませんが、インドでは上手に事業組合のようなスキームをつかって企業のスタートアップがしやすいような仕組みも構築されています。
第10回目となる今回のテーマはいろいろなシーンで活用されている「組合」についておはなしします。
「組合」って身近にもあり、よく聞くけれど、いったい何?
農業組合や労働組合など「〇〇組合」って色々な種類があってよくわからないという印象をもたれている方は多いのではないでしょうか。
組合と名前のつく組織はさまざまな種類があり、いちがいに組合とはこういうものですと説明できるものでもありません。
しかし共通していることとしては、「組合は複数の人や法人が共通の目的をもって集まり、互いに協力して事業や活動を行うための組織形態のこと」です。
組合を説明するうえでなるべくわかりやすさを重視し簡単なワードをつかって説明していきたいと思います。言葉たらず、説明たらずとなるかもしれませんがご了承ください。
わかりやすくいうと、
「組合は同じ目的をもっている人たちが、お金や力をだしあって協力するグループ」
たとえて言うと、
町のお店屋さんたちが集まって「お客さんを呼ぶためにいイベントを企画しよう!」と力をあわせるのも組合です。
ポイントとしては、
・一人や一社ではできないことを、みんなで協力しておこなうこと
・そのみんなでルールを決めて、ルールにしたがっておこなうこと
・そのみんなが「仲間」であり「会員」になっているということ
会社と組合の違いとは、
【会社】お金をだす出資者(株主)がいて、給料をもらいながら働く社員や役員がいる
【組合】みんながお金を平等にだしあう出資者であり対等な仲間というイメージ
決めごとなどは、
【会社】株をたくさんもっている人の意見がつよい
【組合】原則「一人一票」でみんなの意見が平等
よくスポーツチームで例えられることがあります。
社長(株主)がボールやユニフォームを買いチームを運営し、社員(選手)はプレーをする。儲けは社長に返ってきてその中から社員に給与を支払う 。
一方、組合はみんなでお金をだしあいボールやユニフォームを買い、みんなでプレーをする。儲けはみんなで考えて使う。
このように組合でおこなっている中で利益(もうけ)がでた場合は、みんなで協力して何かをするグループであることから、一人のものでなく、みんなで考えて分けたり、使い道をみんなで考えて使ったりします。
裏をかえすと、損失が出た場合は、利益がでた場合と同様に損失もみんなでわけるということになります。つまり組合は、儲けも損もみんなでわけあう仕組みとなっています。
この“損失もみんなで分け合う”がポイントとなっており、このことを利用して利益圧縮につなげる節税スキームとして組合が活用されてきたこともありました。
このように古くから組合は一部で節税にも利用されてきたところもありましたが、現在では節税スキームとならないように課税に対する規制が強化されています。