【新潟の自然環境を守ることを使命に】キタックがCSR事業「e.g.g」始動 飯豊連峰で登山道保全活動

飯豊連峰(写真提供:キタック)
総合建設コンサルタントの株式会社キタック(新潟市中央区)はこのほど、持続可能な社会の実現を目指す「キタックCSR事業 – Echigo Green Guardians(略称 e.g.g. エッグ)」を立ち上げ、初めての活動として飯豊連峰で自然環境の保全活動を行うと発表した。
新たに立ち上げた「e.g.g.」は、「地域の自然環境を保全する」「豊かな自然を後世に残す」「後継者を育て長く続く活動とする」という三つの理念を掲げる。新潟の自然は山から海まで多様な環境を有しており、同社はその全域を視野に入れながら、まずは山岳環境の保全から活動を始めることとなった。

整備を前に登山道の状況を調査する様子(写真提供:キタック)

登山道整備に使う資材の空輸準備をしている様子」(写真提供:キタック)
初回の活動の舞台は、飯豊連峰の足ノ松尾根。登山道の一部では浸食が著しく進んでおり、放置すれば植生の衰退や土砂流出につながる恐れがある。今回の作業では丸太を使った土留めを設置し、浸食の抑制と植生回復を目指す。
作業は菊池准教授をはじめとする山岳関係者が現地で指導し、同社社員に加えて環境省や新潟県、胎内市などの行政機関、地元山岳会も参加する。産官学と地域が一体となり取り組む形だ。
「飯豊連峰保全作業2025」は9月3日から5日までの3日間実施される。参加者は同社社員10人と行政機関・地元山岳会など10人の計20人。作業内容は登山道への土留め設置を中心とし、植生の回復に向けた基盤づくりを行う。

登山道整備に使う資材の空輸の様子(写真提供:キタック)
同社は「登山道における土木作業のノウハウは持っていないため、専門家や経験者に現地で指導いただきながら作業する。植生の回復は一度の手当では難しく、継続的な取り組みが不可欠。今回学んだノウハウを次年度以降の活動に役立てたい」としている。
今後については、まず飯豊連峰での活動を継続する方針だという。登山道の保全と植生回復を地道に進める一方で、山以外の自然環境にも視野を広げる。新潟には海や川、里山など多様なフィールドがあり、それぞれが固有の課題を抱えている。同社は「周囲の自然環境で何が起こっているのかに目を向け、私たちにできることがあれば積極的に取り組みたい」としている。
地域に根ざす企業として、新潟の自然環境を守ることを使命に掲げる同社。e.g.g.の活動は、単なる企業のCSRの枠を超え、地域とともに自然を守り次世代へつなぐ試みとして期待される。
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