【長岡発イノベーション】コンピューターの常識を変える? 長岡発の新OS「バブリス」開発会議を取材(新潟県長岡市)
現在、市場に出回っているパソコン用の基本ソフト(オペレーティングシステム=OS)は、アプリ間の連携が難しかったり、直感的な操作がしづらかったりするなど、使い勝手に課題があると指摘されることがある。
こうした状況を改善しようと、開発団体「ふみコード」が、新たなOS「バブリス」の研究・開発を進めている。2025年8月29日には、新潟県長岡市で「未来のコンピュータどうしちゃおっか会議」が開かれ、オンラインと会場を合わせて17人が参加。既存OSへの不満や、今後のコンピュータに求められる姿について活発な意見が交わされた。

新OSの機能に期待を寄せる参加者たち
第1部では、石井将文代表とメンバーの山田暉さんが登壇し、「バブリス」の機能を紹介。従来のアプリを「バブリ」と呼ばれる単機能の単位として扱い、それらを自由に組み合わせて利用できる仕組みや、複数の時間軸を行き来する「世界線操作」、学習を後押しする「Learning Encouraging U」など、既存OSにはない独自の発想が披露された。

「バブリス」の可能性について語る石井将文代表と山田暉さん
休憩を挟んで行われた第2部の座談会では、参加者から「現在のOSの不便さ」や「理想のコンピュータ像」について多様な意見が出された。石井代表は「ユーザーの不便を解消するには、OSそのものを根本から見直す必要がある」と強調し、GoogleやApple、Meta、Amazon、Microsoftといった大手企業の営利優先の仕組みが、コンピュータ本来の可能性を妨げているのではないかと問題を投げかけた。
石井代表がこうした意見交換会を開くのは今回で3回目。「バブリス」を広く知ってもらい、開発をさらに進めるとともに、理念に共感してともに挑戦する仲間を募ることも狙いだ。
参加者からは「新しいOSがどんな未来を切り開くのか楽しみだ」(長岡市内の男性・69歳)、「普段のパソコンの不便さを当たり前と思っていたが、既存のパソコンの問題点を再発見することができた」(長岡造形大3年・高橋美緒さん)との声が寄せられた。

「普段は大学で、CGなどのデザイン分野でパソコンを使っている」とする高橋美緒さん
石井代表は最後に「妄想を共有することが開発の出発点になる。今回の議論を今後の取り組みに生かしたい」と抱負を述べた。新OS「バブリス」が実用化されれば、日本発の新しいOS発祥の地として、長岡の名が世界中に広まることとなるだろう。新OS「バズリス」の今後の展開が期待される。
(文・写真 湯本泰隆)