佐渡両津港で朝水揚げされた南蛮エビが夕方に東京・品川の店頭に

JR東日本スタートアップなどが実証実験

JR東日本スタートアップ株式会社(東京都)と、水産物の卸・小売を手がける株式会社フーディソン(東京都)などは11日、新幹線を利用して新潟と岩手から東京・品川に鮮魚を輸送する実証実験を行った。

新幹線を利用した鮮魚輸送の最大のメリットは、鮮度落ちが早く生で出荷することが難しい水産物を超高速輸送することで、東京にいながら産地と同じ鮮度で味わうことができること。JR東日本のもつ物流とフーディソンがもつ全国の漁港ネットワークによって輸送時間を大幅に短縮した。これまでのトラックなどによる輸送では早くて翌々日の販売だったが、実験では豊洲でのセリやスーパーの店頭に並ぶまでの一連の流れを省くことで、朝産地から出荷された新鮮な鮮魚をその日の夕方に販売することを可能にした。

今回の実験に用いられた水産物は南蛮エビとウニ。新潟県佐渡市の佐渡両津港で朝水揚げされた南蛮エビは、佐渡汽船のジェットホイルで新潟港へと運ばれ、そこから新潟駅まで輸送し、上越新幹線で東京駅へと運んだ。岩手県宮古市の田老漁港で水揚げされたウニは地元バスで盛岡駅まで輸送し、そこから東北新幹線で東京駅へと運んだ。

東京駅からはトラックによる輸送で品川駅内のエキュート品川まで届けられた。それぞれ出荷から7時間ほどで店頭に並んだという。

物流コストは価格に反映され、南蛮エビ200グラム1600円、瓶づめウニ160グラム3600円と割高ではあるが、東京の小売市場ではなかなか出回らない生の南蛮エビとウニに買い物客は、「新鮮な地方の鮮魚を東京で手に入れることができるのは嬉しいです」と喜びの表情を浮かべていた。前日のみ受付けたネット予約販売で、すでに用意した数の半数以上が売れていたことからも注目度の高さが伺える。

JR東日本スタートアップ株式会社の柴田裕代表取締役社長は、「地元で埋もれている水産物を東京の人に知ってもらい、現地に行って食べたくなるような体験をしていただきたい。また、物流業界の人手不足などの社会課題も解決できたらと思う」と話していた。

JR東日本グループなどは、今回の実験でコスト面や客の反応を検証するとともに、輸送ボリューム拡大の際に課題となる水揚げ量の確保や産地の人員体制を整え、今後実用化に向けて検討していくという。

この上越新幹線・東北新幹線を使った実証実験は、6月11・13・14・18・20・21日に実施される。

上越新幹線で輸送された南蛮エビの積み下ろし(東京駅)

朝出荷された鮮魚がその日16時ころ品川の店頭に並ぶ

(左から)エキュート品川の清水理三郎店長、フーディソンの山本徹代表取締役、スタートアップの柴田裕代表取締役社長