ホラクラシー型の「地域の人事部」は全国初 「三条の人事部コンソーシアム」が発足、地元企業など約40団体が参画

「三条の人事部コンソーシアム」の発足式は、9月19日に開催された「三条市経済ビジョンカンファレンス」内で実施された
新潟県三条市で9月19日、企業や行政などが連携して地域における人材確保や育成の取り組みを行う「三条の人事部コンソーシアム」が発足した。全国で取り組みが広がっている「地域の人事部」だが、同市では従来の階層型の組織ではなく、自律分散のホラクラシー型の組織構造を採用している点が大きな特徴。
地方の中小企業が人材確保や人材育成などに課題を抱えるなかで、地域の企業や行政、教育機関などが連携して課題解決に取り組む「地域の人事部」が各地で発足しており、県内では長岡市や燕市などでも取り組みが行われている。
三条市では2024年11月から、市民や地元企業の社員などを対象とした「みらい人材会議」を実施。セミナーやグループワークを通して、地域の課題の掘り起こしやその解決方法について意見を交わす場としてきた。
今回発足したコンソーシアムは、こうして吸い上げた地域課題に対して、実際にアクションを検討、実行していく。コンソーシアムには、メンバー・サポーター合わせて45の個人と団体が参画し、「みらい人材会議」で挙がった課題を元に設定した「キャリア教育(共育)支援」「企業の環境整備・人材支援」「企業の魅力創出・発信と発信人材育成」「地域コミュニティと企業による共創支援」の4つを重点事業に据える。

発足式の様子と、三条市の滝沢亮市長
コンソーシアム内ではテーマごとにチームに分かれ、それぞれが企業の発信支援や小中高生向けの企業見学・産学連携実習などの具体的な取り組みの実施するため検討していく。従来的な階層型ではなくホラクラシー型の組織構造を採用することで、素早い意思決定と実行を目指す。
三条市の滝沢亮市長は発足式の挨拶で「この地域も人材の採用や定着に課題がある中で、地域で一体となってこのコンソーシアムをスタートできたのは本当に素晴らしいこと。これから皆さんと一緒に、このコンソーシアムを作り上げていきたい」と話した。
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