三条市立大学、新学科設置を検討する第2回アドバイザリーボードを開催 定員増や校舎増築案も

第2回アドバイザリーボードの様子
三条市立大学は9月24日、工学部グリーン・デジタル学科(仮称)の設置に関して、地域の企業や学校などから意見を募るアドバイザリーボードを開催した。
同アドバイザリーボードの開催は、昨年12月の開催に続き今回で2回目。三条市立大学は現在、工学部技術・経営工学科のみ設置しているが、デジタル・IT分野やグリーン分野の人材育成の必要性から、新学科の設置を検討中。同学のアハメド シャハリアル学長は「ものづくりもデジタル化や環境を意識することが求められるようになっている。世界有数のものづくりの街である燕三条地域においても、同じような課題が認識されている」とその重要性を説く。
24日に開催された第2回アドバイザリーボードの前半では、同学のシャハリアル学長が新学科の構想に関する課題と修正案を示した。現在、全国各地の大学でデジタル分野の学科の新設が計画されており、学生獲得の競争が激化すると想定される点や、財源の問題、さらに地元からは「特定の学科だけではなく、学生全員にグリーンとデジタル分野の知識や技術が必要」との意見も寄せられたという。

アハメド シャハリアル学長
こうした状況から、大学側は学科新設を再検討。これまでは既存の技術・経営工学科とは別にグリーン・デジタル学科(仮称)を新設する構想だったが、既存学科の定員を1.5倍程度に増やし、その中でグリーン・デジタル分野の授業やコースを設ける形の案も提示した。これに伴い、校舎の増設案も公表。大学の駐車場に、XR・マルチメディア系の実習を行うスタジオなどを備えた3階建ての新校舎を増築する計画だ。
アドバイザリーボードでは新案について「実現可能性が高まった」という意見も出た一方で、デジタル分野の教員の確保も激化している点や、新校舎設置の予算が膨らむ可能性、地域からの理解が得られるかなどの意見が出された。
三条市立大学では今後も検討を進めながら、12月頃に第3回アドバイザリーボードを開催する予定。
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