新潟大学でIoT、ビッグデータ、AIのフォーラム開催

インダストリー4.0は農業のために

立ち見も出る反響だった

新潟大学は8日、新潟大学附属図書館1Fライブラリーホールにおいて電子情報通信学会フォーラム「IoT、ビッグデータ、AIの現状とその次の未来―地域産業でどのような産業が興るのか―」を開催した。

同学会の創立100周年記念事業という位置づけ。今最も注目される分野であり、国内でも最先端の研究者による研究発表ということで会場は早い時間から満席、立ち見も出る反響だった。

フォーラムの冒頭には米山隆一新潟県知事、篠田昭新潟市長による講演も行われた。トップバッターの米山知事は「新潟県での県民健康ビッグデータの活用」というテーマ。これまでクローズとされていた、各病院のカルテ情報などを集め巨大なデータベースを構築、各医師が自由にアクセスできるようにして、県民の健康管理や病気の治療に活かす施策を発表した。篠田市長は新潟市の農業特区政策の成果と、農業のIoT活用について話した。

基調講演では二宮正史東京大学特任教授・農業情報学会会長が「インダストリー4.0は農業のために」のテーマで研究発表を行った。インダストリー4.0はドイツ政府が命運をかけて取り組むメガ・プロジェクトで「第4の産業革命」と言われる。

簡単に言えば「生産工程のデジタル化によって〝スマート工場〟を普遍化し、極小のコストで最大限の生産力を実現しようというもの。二宮教授はこのシステムを工業だけでなく農業に活用にすれば、とてつもない生産性の向上につながることを説いた。

運行のスマート化で赤字路線をV時回復

次に登壇した森川博之東京大学教授・電子通信学会副会長は「デジタルが社会・経済・産業・地方を変える~IoT、ビッグデータ、AIの未来予想~」をテーマに講演。前半は欧州のスポーツやエンタメで活用されているデジタル技術の事例を紹介、後半では日本の産業界、特に地方産業で未だ使われているアナログプロセスをデジタル化することによって、大きな生産性と省コストが実現可能な点を説いた。

具体例として埼玉県のイーグルバスを挙げた。同社は赤字路線を引き継いで運営したが、データを活用した運行のスマート化で経営をV時回復させて「地域公共交通マイスター」に選出された。森川教授は「アナログプロセスをデジタル化する経営改革は、社会の構造がコンパクトにできている地方のほうが向いている」と話した。

東京大学・森川教授は「地方のあらゆる産業でアナログプロセスのデジタル化が実現されれば、国内の経済構造は根底から変わる」ことを説いた