三幸製菓と長岡技科大が共同研究 米菓製造の熱エネルギー最適化

三幸製菓株式会社

三幸製菓(新潟市北区)と長岡技術科学大学(新潟県長岡市)は、米菓製造過程における熱エネルギーフローの最適化を目指した共同研究を開始した。三幸製菓初の産学連携プロジェクトとして、伝統的な米菓づくりの技術を維持しながら、エネルギー効率と品質の両立を図る。

共同研究は同大技学研究院機械系の馬場将亮准教授が担当。三幸製菓が推進するサステナブル経営の一環として、環境負荷低減と持続可能な生産体制の構築を目指す。

プレスリリースより

米菓の製造工程は他の菓子類に比べて工程数が多く、生産リードタイムが長くなる傾向がある。そのため、エネルギーロスや労務工数の削減が進みにくく、生産効率の向上が課題となっていた。

研究では製造過程での物性変化を計測・可視化し、品質を維持しながら効率よくエネルギーが使われる条件を導出する。設備導入・運用改善の両面で適用可能なガイドラインを整備するという。

期待される効果として挙げているのは4つ。工程全体の熱エネルギーフロー最適化によるリードタイム短縮や段取り効率の改善、熱損失の抑制と最適投入によるエネルギー使用量削減、エネルギー起因の二酸化炭素(CO2)排出量削減、物性変化の定量把握に基づく品質の一貫性強化だ。

三幸製菓グループは12のマテリアリティ(重要課題)を整理し、サステナブル経営計画書を策定した。「温室効果ガス排出量削減」を掲げ、生産設備、輸送手法、再生原料の利用により、2030年までに温室効果ガスの30%削減を目指している(2019年比)。

【関連サイト】

三幸製菓ホームページ

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