「100年後の新潟を構想する会」を民官の有志がキックオフ、発起人の五十嵐氏「ルイーダの酒場のような“場”をつくりたい」

官民の有志による「100年後の新潟を構想する会」がキックオフ

行政と民間の垣根を越え、「100年後の新潟」を語り合う新たな場づくりが始まった。10月15日夜、新潟市中央区で有志による「100年後の新潟を構想する会」の初回が開かれ、県や市、企業などから約30人が参加した。

会を呼びかけたのは、東邦産業株式会社(新潟市中央区)の五十嵐悠介代表取締役社長。行政や民間、業界ごとの壁を越えた横断的な議論の必要性を感じ、「役職や義務を求めない、志を共有する“ルイーダの酒場”のような場をつくりたい」と構想した。

「ルイーダの酒場」は人気ゲーム「ドラゴンクエスト」に登場する、仲間が集まりチームを組む場所。五十嵐さんは「必要な時に仲間とパーティを組み、課題に挑むような関係を築きたい」と構想の趣旨を説明した。

発起人としての想いを語る東邦産業株式会社(新潟市中央区)の五十嵐悠介代表取締役社長

新潟県総務部長の越中隆広氏

第1回では、新潟県総務部長の越中隆広氏が登壇。県が進める「新潟県総合計画(2025~2032年)」をもとに、長期的な人口ビジョンを説明した。

越中氏は、「今の新潟県の出生率は1.14。仮に2050年に出生率2.07まで上げ、社会増減ゼロを達成しても、なお人口減少は続き、2100年ごろにようやく100万人で歯止めがかかるというのがシナリオ。ただしこれはベストシナリオであり、70万〜80万人に落ちるリスクが高い」と厳しい見通しを示した。

その上で越中氏は「人口を維持するには、出生率を上げるだけでは足りない。稼げる新潟に変わることと、地域が連帯すること、この二つが欠かせない」と述べ、「稼げるようになれば若者が残り、戻ってくる。連帯があれば地域の支え合いが生まれる」と強調した。さらに、「村の中だけの連帯から、村と村をつなぐ横の関係へ」と呼びかけ、行政と民間、地域団体が協働することで「新潟の強さを再構築できる」と訴えた。

今後の同会は年数回の不定期開催を予定。2026年6月に新潟市で開かれる「JCIアジア太平洋会議(ASPAC)」などを視野に、都市の受け入れ力や連携力を高める“社会実験”の場とする考えだ。

五十嵐氏は「この会をきっかけに、小さくても何かを動かしたい。ここでの出会いが、それぞれの現場にプラスの化学反応を起こすようなものになればうれしい」と話した。

初回となった「100年後の新潟を構想する会」には、行政関係者や経営者など約30人が集まった

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