【中越地震から21年】新潟県長岡市で追悼 アオーレに献花台、発生時刻の17時56分に黙祷も

アオーレ長岡に設置された献花台

2004年の中越地震からちょうど21年となった2025年10月23日、新潟県長岡市の交流拠点施設「アオーレ長岡」には、献花台が設けられ、多くの市民が花を手向け犠牲者を悼んだ。会場には地震発生直後の様子を写した写真パネルも並び、当時の被害の深刻さを静かに伝えた。発生時刻の17時56分には、黙祷がささげられた。地震は最大震度7を記録し、68人が犠牲となった。

黙祷を捧げた60代男性は語る。長岡市の生まれだが、現在は新潟市に住み、長岡市の職場へ勤務している。震災発生直後、新潟市でもすごい揺れがあり、あわてて実家に電話したが、繋がらなかった。直後に実家に帰ったが、家具などが散乱している有り様だった。それでも、まちなかだったため、比較的被害が少ない方だったという。幸いなことに人的被害もなかった。以来、毎年仕事帰りに、この黙祷には参加しているという。

17時56分、一斉に黙祷を捧げる長岡市民

長岡市の担当者によると、今年は初めての試みとして、当時の映像などをアオーレ長岡のシアターで複数回上映し、多くの来場者があった。発生から21年が過ぎ、地元での関心は根強い一方、当時を知らない世代も増えている。震災の記憶を未来へどう継承するかが課題となっている。

この日は市内の妙見メモリアルパークやスパーク川口、山古志体育館などでも追悼行事が行われ、磯田達伸長岡市長を始め、多くの市民が列席した。

(文・写真 湯本泰隆)

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