【記者ノート】三愛旅行社片山社長インタビュー、私の“サンアイツアー”への想いは「旅で笑顔に、日本を元気に」「やっぱり旅は楽しい」

知らない街で様々な人達との触れ合いが一番楽しい

糸魚川駅前に構える三愛旅行社の本社事務所

昭和48年12月に設立した株式会社三愛旅行社(新潟県糸魚川市)。父である故片山佐一氏の後を受け、良博氏が社長に就いたのが39歳の時の2016年10月。東京で大学生だった頃バイトで旅行業に携わったきっかけで、近畿日本ツーリストで7年間働き、旅行業の魅力を改めて体験した。2006年に帰省。上越支店、糸魚川本社にて勤務。父の死去によって事業承継。良博社長は「今振り返ると、やはり旅行業が好きだったように思う。美味しいものを食べられることはもちろんだが、知らない街での色んな人達との触れ合いなど人生を豊かにしてくれる。何よりも人と話すのが大好きだ」と旅の魅力を話してくれた。日程が合えば、今も添乗員を務める。やっぱり旅が好きなのだ。

コロナ感染症が猛威を振るう、でも従業員は残ってくれた、先輩・友人達が助けてくれた 『タダじゃ転ばない!』、『何とかなるさ!何とかする!』

インタビューに答える片山良博社長

2020年1月から始まったコロナによって旅行業が壊滅状態に陥り、三愛旅行社は収入がほぼゼロに。当初は旅行予約取消の電話が鳴りやまなかった。そのうち電話もならなくなった。「当時を振り返ると、生きた心地がしなかった。でも従業員は残ってくれた。もちろん雇用助成金で助けられたことは事実だが、果物狩り農園の果物販売や海外のお土産通販の在庫販売、おせち料理の販売。ワクチン接種会場での受付や場内案内などできるものはなんでもやった。先輩、友人達が助けてくれた。ガーゼマスク製造の仕事をくれた。とにかくコロナで先輩、友人達の有難さが身に染みた。併せてその時強く感じたのは『タダじゃ転ばない!』、『何とかなるさ!何とかする!』との思いだった」と当時を懐かしく語る片山社長だ。その後、国の『GO TOトラベル』による支援もあり、次第に活気を取り戻していった。

近くにも魅力旅行先も、専門店で食べるツアー実施

「コロナ前までは遠くㇸ遠くへと旅先を考えていたきらいがあった。そうではない、県内は元より隣県などにも魅力ある旅先がたくさんあることを気づかせてくれた。アイデア一つで様々な旅行商品も編み出し企画した。例えば専門店で食べるツアーなどで少人数でも飯山の『うなぎのほんだ』や『入善の牡蠣ノ星』などなど、長岡の花火でも河川敷ではなく、お客さんの年齢層に合わせて、長く歩く距離が短い長岡市陸上競技場のスタンドでの観覧も、更にマイクロツーリズムの人気スポット『白馬』もお隣同士であり、白馬へもお連れするが、白馬からは『海の幸の糸魚川』へお誘いするなどの相互訪問などにも。糸魚川にもヒスイや真柏(盆栽)などもあり、こちらから出かけるだけでなく、着地型観光として糸魚川へ呼び込むことも進めていきたい。糸魚川もジオパークとして売出中だが、豊富な海の幸、温泉や大自然、昼セリの見学など糸魚川らしいものを見てもらって、糸魚川を存分に楽しんでもらいたい」と意欲的な“アイデア満載”の片山社長。

横綱大の里で盛り上げる「初場所観戦の旅」

大相撲観戦の旅のコースの日程チラシ(令和8年初場所)

やはり人気の横綱大の里を抜きに語れない。新潟県立海洋高校(糸魚川市能生)出身の大の里は国民的人気力士になりつつある。地元紙「上越タイムス社」とのコラボによるサンアイツアー『初場所観戦の旅』(日帰り・宿泊両コース)も企画されている。大相撲観戦ツアーだけでなく、海洋高校相撲部のけいこを見学する旅も準備中だ。海洋高校のある能生は能生漁港もあり、魚も豊富な魚市場があるほか、小泊にはズワイガニなどの「カニや横丁」も有名だ。大の里とカニをコラボして、三愛旅行社の企画の旅はまだまだ続きそうだ。

究極の願いは糸魚川を盛上げる地域貢献

本社内のスタッフの皆さん。カウンターには大の里の小さなのぼりも

片山社長は「旅行業を通し、『旅で笑顔に!日本を元気に!』、『やっぱり旅は楽しい!』とアピール。この10年間人に恵まれ、多くの人脈に感謝で一杯だ。これからは、地域に貢献したい。様々な観光地に皆さんをお連れするだけでなく、県内外から多くの観光客をここ糸魚川にお越し戴けるようにお手伝いしたい。糸魚川も盛り上げたい。そうすることでお世話になった皆さんに恩返ししたい」と常に心優しく、感謝の思いの強い片山社長だ。

 

竜 哲樹(にいがた経済新聞顧問)

昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。

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