【キシャメシ】田上町「かみむすび」でふわり握ったおにぎりと豆乳豚汁を 昼どきに訪れたい、やさしい定食
この日は取材で田上を訪れた。田上に来たら、必ず立ち寄りたくなるのが道の駅だが、今日はお目当ての店があった。町役場から車で約7分、国道403号沿いの加茂暁星高校へ行く交差点脇に、静かに暖簾を掲げる「かみむすび」。なんだか神々しい名前のおにぎり店である。
店内は落ち着いた和の雰囲気。テイクアウトはもちろんのこと、座敷が14席ありイートインも可能。おにぎりを握る小気味よい音、そしてだしの香りがふわっと漂い、どこか「帰ってきた」ような安心感がある。店員の掛け声もやわらかく、家庭的であたたかいムードが流れている。


メニューは、おにぎりや豚汁、おかずが単品で注文できるほか、おすすめは定食とのこと。具材が選べるおにぎりは、定番から創作まで幅広く、組み合わせ次第で印象が変わる。豚汁も、通常の豚汁に加え、豆乳を加えたまろやかな「豆乳豚汁」や、唐辛子とにんにくが効いた「辛味豚汁」も用意されている。今回キシャは、店の人気メニュー「かみむすび御膳」を注文。おにぎり2種、豚汁、小鉢がつくバランスのいい定食だ。
今回選んだおにぎりは、店で人気の「ピリポリ漬け」と「明太子(+100円)」。まずはピリポリ漬けをひと口。細かく刻まれた漬物の食感が心地よく、噛むたびに酸味と旨みが広がる。握りはふわりと軽く、加茂七谷産のコシヒカリの甘さがしっかり主役になっている印象だ。
続いて明太子。こちらは豊かな辛味と塩気がアクセントとなり、米と混ざり合うことで味がまろやかにまとまる。どちらも「強すぎない味わい」で、毎日食べても飽きなさそうだ。特筆すべきは、どちらも中にびっしり具材が入っているということ。見えている部分だけでなく、ひと口、ふた口と頬張ってもご飯と具材が同時に味わえるようになっている。
そして今回特に印象に残ったのが「豆乳豚汁」。白くやわらかい色合いで、見た目からして優しい。口に含むと、豆乳のコクが広がりながらも重たくなく、豚肉や根菜の旨みをしっかりと受け止めている。じんわりと体の芯が温まり、思わず「もう一杯」と言いたくなる味わいだ。具材もゴロゴロと大きくカットされており、とても食べ応えがあった。
ふわりと握ったおにぎり、やさしい旨みの豆乳豚汁、気持ちのいい接客。どれも「また来たい」と思わせる力がある。田上町でほっと一息つきたい昼どき、体がよろこぶ定食を求めて足を運ぶ価値は十分だ。
(記者A)
【おにぎり屋 かみむすび】
南蒲原郡田上町吉田新田37-1
電話番号/080-5880-0008
営業時間/10:00~17:00 (予約引き取りは18:00まで)
定休日/月曜 (祝日の場合は翌日)





