【コラム】11月は2回、新潟を訪問しました|益田浩(元新潟県副知事・前中国運輸局長)

前回:新潟に行ってきました|益田浩(元新潟県副知事・前中国運輸局長)

1. はじめに

霜月も終盤となりました。東京では寒暖を繰り返しながら、確実に冬に向かっています。新潟も寒くなっていますね。今年の初雪はいつ頃になるでしょう、と思っていたら、早くも11月18日頃には新潟県の初雪のニュースを聞きました。それも妙高市や魚沼市ではかなりの積雪の模様、驚きました。この冬の降雪量はどうなりますかね。スキー場にはしっかり雪が降ってもらいたいものです。また、雪解けの水は稲作の準備にも欠かせないので、水不足の懸念が生じないよう、適切な量の雪は期待したいですね。

今月は、後述する新潟への2回の訪問のほか、お土産で、燕市・明治屋の鮭塩漬けや弥彦村・成沢商店のカレー豆をもらったり、新潟からの来客もあったりと、新潟の空気に触れる機会が沢山ありました。ありがたいことです。

新潟駅万代口・広場の工事は続く

燕市・明治屋の鮭の塩漬け

弥彦村・成沢商店のカレー豆

2.東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題

11月21日には、花角知事による東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働容認の表明が全国のニュースで流れました。私は直接の担当ではありませんでしたが、東京電力・小早川社長の新潟県庁訪問時には表敬を受けたこともあります。東日本大震災による福島第一原発事故は隣県で生じた大災害であり、柏崎刈羽原発の再稼働問題は、新潟県では県内世論を二分する大きなテーマとなります。新潟県外では意外と知られていないのですが、新潟県は東北電力の管内であり、同原発の電力は新潟県内ではなく、首都圏に送られています。原発が再稼働しても地元の電力料金が安くなる訳ではありません。原発再稼働による直接的な恩恵を感じにくいのです。また、これまでの東京電力の安全管理対策も繰り返し不祥事が発生するなど不十分でした。2017年12月に原子力規制委員会が6号機・7号機の安全審査に合格を出した後でも、2021年4月には、同委員会が東京電力に対して核燃料の移転等を禁じる是正命令を出す事態となっています。それだけに新潟県では長期間にわたる検証を進めていました。今回、事故時の避難計画の取りまとめや県民意識の調査、公聴会の開催など、慎重な手続・検討を踏まえた上で、知事の責任において再稼働の判断をしたことは重く受け止めます。これからは県議会の判断に委ねられますが、その結論はいずれになるにせよ、尊重したいと思います。

3.見附ニットまつり訪問

前述のとおり、今月は2回、新潟を訪問しました。1度目は、見附市のニットまつりです。見附ニット工業協同組合主催で春と秋に開催されています。新潟県民には自明かと思いますが、県外の読者の方に説明しますと、実は新潟県はニット王国です。OEM製品が多いためか、例によって(と書かざるを得ず)、全国的な知名度が低いのが残念ですが、総務省・経済産業省による2023年経済構造実態調査では、ニット製セーター他の出荷額は男女いずれも新潟県がトップです。すごいでしょう。恥ずかしながら、私も新潟県に赴任するまで知りませんでした。もっと認知度を上げたいです。

ニットの産地は五泉市と見附市が中心で、前者は女性用、後者は男性用が多いようです。五泉市のニットフェスにも新潟のお姉さま方の荷物持ちで行きましたが、確かに女性向けが多かったです。見附市のニット工場は新潟県勤務時に視察させてもらったことがあり、ニット製品が丸ごと立体的に編まれる工程(ホールガーメント製法)に、一体どうなっているのかと驚愕したことを思い出します。新潟県勤務以降、我が家のお米は新潟米ですが、職場で着用するカーディガンもずっと見附ニットです。以前は日本を代表する製造小売業・某社のカーディガンを使っていましたが、仕事をしていると、腕の下部が擦れてすぐに毛玉ができてしまうのが難点でしたが、見附ニットは数シーズン着用しても見事に毛玉ができません。品質の高さを端的に表していると思います。

今回の見附市への訪問は、見附ニット工業協同組合副理事長・丸正ニットファクトリー代表取締役社長の佐野統康さんから、東京・北参道での同社展示会開催のご連絡をいただいて、お伺いした際、翌週末に見附ニットまつりが開催される旨、教えていただいたのがきっかけです。早速、土曜日の朝、上越新幹線と信越本線を乗り継ぎ、会場となったネーブルみつけや丸正ニットファクトリーなどでセーターやカーディガンを買いました。来年のニットまつりも楽しみにしています。

ネーブルみつけのニットまつり会場にて、佐野統康さんと

4.半年ぶりのNGT48公演

2度目の新潟訪問は、11月23日の新潟市万代のNGT48劇場です。NGT48の「シアターの女神」昼公演を観てきました。前回は5月11日だったので、半年以上、間が空いてしまいました。メンバーに怒られても仕方ありません。実際に怒られています。現在残っているメンバーで認知されているのは、1期生の西潟茉莉奈さん、ドラフト3期生の佐藤海里さん、藤崎未夢さん、2期生の大塚七海さん、三村妃乃さんの5人に限られており、お見送り時に賑やかだった往時を考えると寂しい限りですが、先般、みゆみゆ(藤崎さん)が卒業発表をしたため、さらに減ってしまいます。みゆみゆはNGT48の厳しい時期に、5枚目のシングル・シャーベットピンクでセンターに抜擢されて以降、先頭に立って奮闘してきた功労者です。長年、お疲れ様でしたと思うとともに、やはり残念な気持ちがあります。推しは推せるときに推せ、ですね。お見送りの時、みゆみゆには泣くポーズをしました。いずれ開催されるであろう卒業公演に参加できれば、「卒業おめでとう、これまでありがとう」と送り出さないといけませんね。夜公演は西潟さんの生誕祭が開催されましたが、残念ながら、こちらは抽選に外れてしまいました。相変わらずの人気です。彼女は先月30歳になりましたが、引き続き1年でも長くNGT48のメンバーとして活躍を続けてもらいたいです。

卒業と言えば、STU48の3期生である曽川咲葵さんも、先日、卒業発表をしました。彼女も11枚目のシングル「地平線を見ているか!」で初選抜にして初センターを務めていました。まだ20歳で、将来を担う人材と期待されていただけに衝撃が走りました。センターならではのプレッシャー、節目となる年齢での人生の選択、いろいろなことを考えての決断でしょう。曽川さんはまだ研究生の頃から存在感があり、早くから応援していただけに、次のステージでも彼女らしく頑張ってもらいたいと思います。

NGT48劇場

5.新潟のスポーツあれこれ

最後になりますが、新潟のスポーツに関連して、残念なニュースがいくつかありました。まず、先月末、サッカーのアルビレックス新潟の2度目のJ2降格が決まりました。前回降格した2017年のシーズンは、私も新潟県で勤務しており、終盤に重苦しい雰囲気になり、降格が決まった時の落ち込んだ気持ちは今でも覚えています。前回はJ1復帰に5シーズン要しました。今のJ2にはJ1経験が豊富なチームが沢山いて、全く油断できませんが、なるべく早期でのJ1復帰を祈っています。また、野球でも、魚沼市出身で広島カープに入団していた韮澤雄也選手が戦力外通告を受けました。広島カープからオイシックス新潟アルビレックスBCに移籍した薮田和樹投手も退団したようです。かつては、新潟出身の今井啓介投手や小林幹英投手が広島カープで活躍しており、再び、新潟と広島を結んで活躍するスポーツ選手が登場して欲しいです。終わりに嬉しいニュースをひとつ。今月開催された全日本女子剣道選手権大会で優勝した高橋萌子選手(神奈川県警)は、燕市の出身なのですよ。今月はここまでとします。

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