新潟県長岡市の子育て支援テーマに座談会 現役市議3人と市民が意見交換

左から、座談会に登壇した衣川広志市議、高橋みさと市議、笠井あやか市議

新潟県長岡市における子育て支援の実情について、市民と現役市議が率直に意見を交わす座談会が、2025年11月10日、同市にあるassemble長岡で開かれた。今回は、子育て世代を中心に、見附市など市外からの参加者も含め10人が集まった。現役で子育てをしている人のほか、子育てを終えて地域の子育て環境に関心を持つ人もおり、幅広い立場の参加者がそろった。こうした参加者が互いに日常の困りごとや地域の課題を共有しつつ、行政の取り組みや今後の方向性について理解を深める場となった。

登壇したのは、高橋みさと市議、笠井あやか市議、衣川広志市議の3人。冒頭、3人は市が進める子育て支援施策や関連事業を紹介し、そのうえで参加者の声に耳を傾けた。また、相談窓口の利用方法や既存制度の活用の仕方を具体的に説明する場面も見られ、参加者が抱えている疑問に一つ一つ丁寧に応じた。

一方で、参加者からは「子どもが通う学区を超えて支援につながる仕組みが必要ではないか」との意見や、「障害の有無にかかわらず必要な支援が届く体制を整えるべきだ」といった声も出た。こうした意見を踏まえると、自治体の支援体制が、近年複雑化する家庭環境のすべてに十分対応しきれていない現状も浮き彫りになった。

参加者からは熱心な質問や意見が寄せられた

長岡市内から参加した40代女性は、日頃から周囲の母親たちから相談を受けることが多いという。今回の参加については、「自分が知らない制度を知りたかった」と話し、続けて「制度の枠に入り切らず困っている人が多いと知った。もし制度と人がうまくはまれば、もっとお母さんたちが楽になるのにと感じた」と語った。

また、見附市から参加した40代男性は、20年ほど前に子育てを終えた立場として、現在の長岡市での取り組みを知りたいと思い、参加した。「ここで得た情報を、取引先など必要としている家庭に伝えたいと思った。話を聞くうちに、自分自身としても新たに取り組めることが見えてきた」と前向きに振り返った。

参加者一人ひとりのヒアリングをする高橋みさと市議

座談会を企画した衣川市議は、今回の狙いについて「本来は公聴会を開きたかったが、普段議員と関わりのない人に政治の話が届きにくい現状に、もどかしさを感じていた」と説明。そのうえで「子育てという誰もが関わるテーマなら参加しやすいと思い、まずは市の取り組みを説明し、参加者の皆さんから意見をいただく形にした。寄せられた声は自分にとっても市議会にとっても意義のあるものになった。いただいた意見は一度市へフィードバックした上で、お返ししたい」と語った。

 

(文・写真 湯本泰隆)

こんな記事も