【若者雇用促進】良電社、諏訪田製作所など新たに5社をユースエールに認定 県内105社に

左から、三行合成樹脂の宮島拓人代表取締役社長、サンプラスト三笠の猪口雅夫業務統括部長、新潟労働局の福岡洋志局長、良電社の坂内隆徳代表取締役社長、諏訪田製作所の小林知行代表取締役

厚生労働省新潟労働局はこのほど、株式会社サンプラスト三笠(新潟県見附市)、株式会社郷土建設藤村組(新潟県上越市)、株式会社良電社(新潟県長岡市)、三行合成樹脂株式会社(新潟県見附市)、株式会社諏訪田製作所(新潟県三条市)の5社を、若者の採用や育成などに力を入れるユースエール企業に認定した。11月28日には認定通知書交付式が開催。同局の福岡洋志局長から、欠席となった郷土建設藤村組以外の4社へ認定証が手渡された。

ユースエール認定は、若者の採用や育成に積極的で、離職率や所定外労働時間、有給休暇の取得状況などの項目で一定の要件を満たす企業(常時雇用する労働者が300人以下)に対して厚生労働大臣が認定する制度。今回、新たに5社が加わり、新潟県内のユースエール企業は105社となった。これは全国1位の認定数を誇る。

サンプラスト三笠の猪口雅夫業務統括部長

認定通知書を受け取る良電社の坂内隆徳代表取締役社長(左)

サンプラスト三笠は、新入社員研修や先輩社員によるサポート体制の充実など働きやすい環境づくりに励んできた。また、地域とのつながりを大切にしたいという思いから、地元の小中学生を招き、工場見学を実施してきた。猪口雅夫業務統括部長は「会社の成長は、地域の支えがあってこそ。これからも地域とともに若者の未来を応援し続ける企業でありたい」と展望を語った。

良電社は、1946年創業の電気設備工事、施工、管理を行う会社。残業も多く過酷な労働環境だったことに坂内隆徳代表取締役社長は危機感を抱き、働きやすい体制強化に舵を切った。「年間休日は近年増加し、現在は115日となっている。今後も増やす予定だ。若手社員と指導係の先輩社員が二人三脚で進める『トレーナー制度』を整えたことで、心強さと安心感を持って働ける環境につながった」とこれまでの取り組みを述べた。

左から、三行合成樹脂の宮島拓人代表取締役社長、新潟労働局の福岡洋志局長

諏訪田製作所の小林知行代表取締役

三行合成樹脂は、プラスチック製品の製造業を営む創業83年目となる会社。2025年度は、女性活躍の取り組みに力を入れる「えるぼし」企業、子育て支援の取り組みに力を入れる「くるみん」企業にも認定された。宮島拓人代表取締役社長は、「今回のユースエール認定を受け、若者・女性・子育て世帯など幅広く社員にとって働きやすい職場であると胸を張れる。さらに選ばれる企業として進歩し続けたい」と期待を込めた。

諏訪田製作所は、ニッパー型の爪切りで有名な、刃物の製造業で三条市のものづくり地場産業を支えてきた企業。昨今、製造業は後継者不足が問題視される中、同社の平均年齢は39.8歳と比較的若い水準を保っている。小林知行代表取締役は「2020年に社員が無料で昼食が食べられる社員食堂を整備した。社員は、海外で経験を積んだシェフやパティシエが手がけるメニューを食べ、仕事に精を出している。オープンファクトリー化で一般公開もしているため、ミスマッチが起こりにくく、離職率も低くなった」と成果を報告した。若者だけでなく、中堅、ベテラン社員にとってもいい循環ができたと語った。

新潟労働局福岡洋志局長は、若者の雇用促進は重要な観点だと話し、「県内企業のリーディングカンパニーとして牽引する存在になってほしい」とエールを送った。

 

【関連記事】

直江津電子工業とNA&HR社労士法人が「えるぼし」に認定、NA&HR社労士法人は「くるみん」とダブル取得

ユースエール認定は県内100社で全国1位に 新潟労働局、ユースエール企業ともにす企業を新たに計4社認定

こんな記事も