南魚沼市に新会社「アイスライス」が設立 雪室コンテナを開発し熟成食材展開へ

雪室コンテナvol.1(仮称)設置の様子 プレスリリースより

新潟県南魚沼市に、雪を活用した食品保存技術の開発を行う「アイスライス株式会社」が11月13日に設立された。同社は豪雪地の地域資源である雪を活用し、電力を使わずに食材を保存・熟成できる「コンテナ型雪室」の研究開発を行うスタートアップで、雪を循環資源として活かした事業創出を目指す。

雪室は、温度0〜5度、湿度80%以上の環境を保つ天然の貯蔵庫とされ、同社はその仕組みをコンテナ化することで、設置場所を選ばずに活用できる可搬性を備えた。電力ゼロで稼働しCO₂排出を伴わない点や、食材単位で管理できることで食品汚染防止にも寄与するとしている。

今後は国内外への展開も見据え、雪国の自然エネルギーを「Snow Power, Delivered Anywhere.」のミッションのもと広く届ける方針だ。

アイスライス株式会社代表の原澤太一氏(左)と共同創業者の髙瀬章充氏(右) プレスリリースより

代表の原澤太一氏は、南魚沼で200年以上続く米農家「庄治郎商会」の七代目。共同創業者の髙瀬章充氏は複数のスタートアップ創業に携わった経験を持ち、両者は地域資源活用をテーマに交流を重ね、2024年に薪ストーブ付きコワーキングスペース「MAKINO-BA」を六日町に開設していた経緯がある。

同社は2025年春から試験を行ってきた雪室冷温熟成米や雪室コーヒーなどの熟成食材の販売を開始する予定で、将来的にはコンテナ型雪室の貸し出しや導入支援事業を進める。さらに海外展開も視野に入れ、世界の日本食レストランや食品事業者が低温熟成の仕組みを活用できる環境整備を進めるという。

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