【今読んで欲しい3冊】書店員が選ぶ12月のおすすめ本（提供：ジュンク堂書店新潟店）
ジュンク堂書店新潟店（新潟市中央区）の書店員が選ぶおすすめ本「12月号」。書店員のお眼鏡にかなった「今読んで欲しい本」を、書店員の生の声でお届けします。
今回は、ジュンク堂書店新潟店、石井裕也さんのおすすめを3冊ご紹介します。
今年も気がつけば残り2週間。皆さん今年一年どれくらい本を読みましたか？
年末になり、多くのメディアで今年のランキングを目にする機会が増えてきました。
今回は、「ジュンク堂書店新潟店」で今年売上が良かった書籍を中心にご紹介したいと思います。まだ読んでいない本があれば、年末年始のお休みにぜひ手に取っていただけたらと思います。
【国宝 上 青春篇・国宝 下 花道篇／吉田修一 朝日新聞出版】
国宝 上 青春篇・国宝 下 花道篇／吉田修一 朝日新聞出版
今年の実写日本映画といえば間違いなくこの作品でしょう。皆さんはご覧になったでしょうか？
素晴らしい映画を見たのであれば、その原作を読みたいと思うのが心情というもの。当店でも「国宝」が文庫の売上を牽引しました。
著者の吉田修一さんといえば、深い人間洞察に裏打ちされた巧みな描写で、圧倒的な説得力を持つことで有名です。
映画は175分という制約の中で視覚的に物語を圧縮し、取捨選択、再構築している一方、小説では800ページにわたり歌舞伎界の歴史の重みや複雑な人間関係が丁寧に描写され、歌舞伎界に生きる1人の人間の人生を文学作品として見事に昇華させています。
映画を観た人も観てない人も是非手に取っていただきたい、読んでよかったと思える名作です。
【プレミアムカラー 国語便覧／足立直子 数研出版】
プレミアムカラー 国語便覧／足立直子 数研出版
日本の言語文化の奥深さを実感できる、国語に関するあらゆる資料を美麗なイラストや写真と共に体系的に掲載した資料集です。
国語常識から現代の社会問題にまで言及して、分かりやすく解説しています。また、今昔の違いなどを比べることで言語文化のあらたな一面を学ぶことができます。
高校生向けに低価格に抑えながらも幅広い世代の知的探究心を大いにくすぐる最強のコスパ本となっています。当店でもお子さんからご年配の方まで、幅広い年齢の方にご購入いただき、爆発的なヒットとなりました。
学生の時には気が付かなかった学ぶこと・知識を吸収する楽しさを感じる人もきっと多いはず。これから学びの幅を広げていく上で、きっかけの1冊となるでしょう。
【科学的に証明されたすごい習慣大百科／堀田秀吾 ＳＢクリエイティブ】
科学的に証明されたすごい習慣大百科／堀田秀吾 ＳＢクリエイティブ
仕事、勉強から健康、暮らしまで、さまざまなシチュエーションで役立つ習慣化テクニックを集めた本書は、当店で今年最も売れた書籍です。私を含め、いかに多くの人たちが普段の習慣を見直し、変化や前進を望んでいるかがうかがえます。
内容は気合や精神論ではなく、心理学や脳科学などの研究を基に書かれており、できる日にできる範囲で「楽に自然に習慣化できる方法」が紹介されています。
本書には、100を超えるテクニックが紹介されていますが、1から順序よく始める必要はなく、開いたページや自分ができそうな項目から気楽に取り組むことができます。難しい表現は使われていませんので、分かりやすい学術読みものとしても楽しめます。
毎年のように「来年こそ何かを変えたい」と思っている私のような方には、ぜひこのタイミングで読んでほしい1冊です。
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