「くるみん」「えるぼし」新たに6社認定 新潟県労働金庫など、子育て支援・女性活躍の取り組み語る

左下段から、新潟県労働金庫の山崎雅彦理事長、新潟労働局の福岡洋志局長、小片鉄工の小片龍也代表取締役社長、左上段から、佐文工業所の横山学管理部長、プライムテックの津田雅之取締役、北陸電々の野上隆代表取締役社長、グリーソンサイクニの小池正博統括責任者
厚生労働省新潟労働局はこのほど、新潟県労働金庫 (新潟市中央区)と小片鉄工株式会社(新潟県小千谷市)の2社を「子育てサポート企業」として「くるみん」企業に認定した。また、株式会社佐文工業所 (新潟市江南区)、プライムテック株式会社(新潟市中央区)、北陸電々株式会社(新潟市中央区)、グリーソンサイクニ株式会社(新潟市江南区)の4社を女性活躍の取り組みに力を入れる「えるぼし」企業に認定した。
12月23日には、新潟労働局で認定通知書交付式が行われ、福岡洋志局長から各社へ認定証が手渡された。
「くるみん認定」は、次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の基準を満たす企業に対して厚生労働大臣が認定する制度。一方、「えるぼし認定」は、女性の活躍推進に向けた取り組みが優良な企業に認定される制度だ。1つ星から3つ星までの認定レベルが3段階あり、特に優れた企業には「プラチナえるぼし」が認定される。今回認定された4社は、いずれも3つ星の認定を受けた。

左から新潟県労働金庫の山崎雅彦理事長、新潟労働局の福岡洋志局長

取り組みを語る小片鉄工の小片龍也代表取締役社長
新潟県労働金庫では、男性の育児休業取得を推進し、対象となる男性職員17人全員が育休を取得。取得率100%を達成した。うち10人は28日以上の長期取得となった。山崎雅彦理事長は「出産や子育てでライフスタイルが大きく変わる時期に、部署を超えて助け合う風土が育ってきた」と振り返った。
小片鉄工では、女性の就業率が数年前の約15%から現在は25%まで上昇。4年前に女性社員の意見を取り入れる「なでしこ会議」を発足させ、職場環境の改善を進めてきた。小片龍也代表取締役社長は「女性社員が主体的に考え、真剣に取り組むことでモチベーションが高まった。ワークエンゲージメントの向上を実感している」と述べた。

左から、佐文工業所の横山学管理部長、新潟労働局の福岡洋志局長

認定証を受け取るプライムテックの津田雅之取締役
佐文工業所では、10歳代の若手から70歳代のベテランまで幅広い世代が活躍している。横山学管理部長は「今回のえるぼし認定は一つのスタート。ユースエール認定も6年連続で受けており、次はくるみんにも挑戦したい。全ての社員が夢を叶えられる会社を目指す」と意気込みを語った。
電気通信や電気工事を手がけるプライムテックでは、昨年から女性の採用を強化し、来年度の新卒採用では初の女性技術職の入社が決定した。津田雅之取締役は「管理栄養士の資格を持つ女性社員が中心となり、従業員の健康管理や相談対応を行う健康経営に注力している。労働環境の改善は、女性だけでなく男性職員にもいい影響がある」と述べた。

左から北陸電々の野上隆代表取締役社長、新潟労働局の福岡洋志局長

取り組みを語るグリーソンサイクニの小池正博統括責任者
北陸電々では、女性管理職の比率が11.1%と産業平均の4.1%を大きく上回る水準となっている。野上隆代表取締役社長は「さらなる女性管理職の登用を進め、人材育成に重点を置きたい。全ての社員がいきいきと働ける職場づくりを進めていく」と前向きな姿勢を示した。
グリーソンサイクニでは、フレックスタイム制の導入やテレワーク推進など、製造業では珍しい柔軟な働き方を取り入れた。小池正博統括責任者は「子育て中の女性社員も力を発揮でき、会社全体が活気づいた。一方で一人作業が増える課題もあり、今後の対応を検討したい」と成果と課題を述べた。
新潟労働局の福岡洋志局長は、「新潟県も人手不足が深刻化している。人材確保と定着の観点から、新潟県内のリーディングカンパニーとして今後の活躍を期待する」と各社を激励した。
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