【コラム】12月、今年もお世話になりました|益田浩(元新潟県副知事・前中国運輸局長)
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1.はじめに
早いもので令和7年も終わりになりますね。1年の〆ということで、社内でも各種会議が続きます。ペーパーレスが進められているので、書類が増えないのはありがたいですが、ファイルをうまく分類して個人PCに保存しておかないと、あとから参照できなくなります。ペーパーレスの中で、どう効率的に仕事するかは、正直、まだ試行錯誤しています。
12月は忘年会の時期でもあります。今年は声かけされた忘年会に積極的に参加した結果、かなりの回数になりました。懇親前にまち歩き付きの会、中小企業診断士の会、イギリス留学先の会など初めて参加した会もあり、財布が軽くなった分、名刺は貯まりました。既に1月の新年会も数多く予定が入っています。この1年、大きな病気をすることも無く、経年劣化に伴う成人病の類はいろいろと抱えていますが、高校同期の主治医には何を食べても良いと言われています。これからも楽しく懇親ができるよう、健康第一で過ごしたいと思います。
2.1年の振り返り(個人)
国内外で様々な変化があった1年となり、個人的には、昨年12月に東京の大手鉄道会社に再就職し、無事に1年が経ちました。元々、国土交通省と鉄道業界は業務の内容上近い関係にあることから、スムースに日々の生活に馴染めました。ちゃんと「お客様」と口に出して言えます(笑)。
周りを見ると、金融業界に再就職した国土交通省の同期や慣れない営業部門に配属された後輩もいて、仕事のやり方や専門用語など戸惑うことも多いのだろうなと想像します。私が旧建設省部局の都市計画課で法令担当の補佐になったときも、同じ国土交通省内での異動にもかかわらず、最初の数ヶ月は初見の用語や仕事の進め方などに随分戸惑いましたから。
ただ、今振り返ってみると、内閣官房や国土庁、北海道庁、新潟県庁での勤務など、いわゆる「余所の釜の米を食べる」経験は、旧運輸省部局での仕事と比べて、人とのつながりの広がりや自分自身の成長の実感があり、より印象に残っていることは間違いありません。「置かれた場所で咲きなさい」という格言は、与えられた環境や状況の中で最善を尽くしなさい、という趣旨ですが、私自身、特に旧運輸省部局以外での勤務のときは、しっかり咲くよう意識してきました。現在は国家公務員の身分から離れていることを自覚し、新しい環境を楽しみながら、お世話になっている鉄道会社にも貢献したいと思います。
今年7月に開催された母校の修道学園関東支部のつどいでも新たな出会いがありました。懇親会で同席した先輩から勉強会に誘われ、9月から参加しています。この勉強会は月2回程度、外部の講師による講演があり、この講師陣がすごいのです。これまで、石破前総理大臣、野田立憲民主党代表、玉木国民民主党代表、神山日本銀行理事、老川読売新聞会長主筆など豪華な講師の講演を拝聴し、名刺交換の際に少しお話をしています。野田代表とは新潟県選出の国会議員の話でした(笑)。
来年1月には、斉藤公明党代表の登壇も予定されています。斉藤代表は修道高校の先輩で、国土交通省の頃に大臣としてお仕えしていたため、今から楽しみにしています。現在は野党の代表として大変ご苦労されており、どのようなお話になるのかは気になるところです。なお、勉強会の参加者にも著名な方が多く、何か仕事に繋げたいなと考えています。

私生活においては、推しごとは後述することにして、まず、日本武道館併設の武道学園での杖道の稽古は週2回、継続しています。来年3月には五段の昇段審査を受けたいと考えており、身が引き締まります。師範からは技以前に姿勢を直せと厳しく指導されており、猫背を改善したいのですが、簡単には治らず、かなり参っています。
また、新潟勤務のときから遠ざかっていた茶道裏千家の稽古も月に1回程度ですが、再開しました。相変わらず、正座の辛さは耐え難いのですが、少しずつお点前を思い出しています。来年1月4日の稽古初めには、久しぶりに着物を着て稽古する予定です。
以前はよく語学や資格の勉強をしていましたが、徐々に老眼が進んでいるためか、集中力や記憶力が低下しているためか、なかなか本腰を入れて勉強できません。そもそも中小企業診断士の資格も十分に活用できていないので、まずはそこからだろうと自分でツッコミを入れてしまいます。来年のこの時期には、もっと前向きな振り返りができるよう、頑張りたいと思います。幸い、知的な関心はあまり衰えておらず、AIや手話などにも興味が出てきています。一方で、中途半端に手を広げた挙句、虻蜂取らずとなることを懸念する気持ちも強く、全く悩ましいです。
最後に推しごとについて、広島から東京に戻ったことで、STU48だけでなく、NGT48にも軽めに戻ってきました。東京だからAKB48だろうと言われそうです。かつては秋葉原のAKB48劇場に足を運んでいましたが、12月に開催された日本武道館での結成20周年記念公演もチケットの申込のタイミングを失するなど、すっかり情報に疎くなってしまいました。
STU48では、東京での専用劇場であった池袋・CLUBMIXAが閉鎖することになり、大きな衝撃を受けました。たまにではあっても、東京でSTU48の劇場公演を観るのはモチベーション維持に重要だったので、残念です。
一方、NGT48には認知があるメンバーが少なくなっており、これから3期生以下を開拓する元気があるかどうか。こういう中で、今月、私の連載を読んでいただいた方のご縁で、NGT48に関係した方を交えて懇親をする機会がありました。新潟県に勤務した頃の熱い気持ちを思い出す会となりました。年明けには、続けて新年会が予定されています。
3.1年の振り返り(日本・世界)
日本では首相の交代があり、史上初の女性首相が誕生、連立与党の枠組みが変わりました。石破前総理は前述の講演会で「公約した予算委員会の審議より衆議院の解散が先行させた結果、最初から不信感が生じて、ずっと尾を引いた」と自らの政権運営を振り返っておられ、事実、支持率も低迷していましたが、高市新政権は発足以来、高支持率を維持しています。若い年齢層からの支持も高く、参政党に流れた自民党支持層が戻ってきたのかな。
台湾有事を巡る存立危機事態に関する総理答弁に端を発して、中国からの各種嫌がらせが続いていますが、支持率にはほぼ影響していないようです。そもそも中国による露骨な戦狼外交は、子供じみた嫌がらせも含め、中国国内では喝采を浴びているのかもしれませんが、日本では中国への警戒感や不信感を増やしているだけのように感じます。中国は論語の国だったのではなかったかと思います。現在のところ、レアアースの供給調整という切り札は切られていませんが、これは今後に温存しているのか、それともそこまではしないという歯止めがかかっているのか。いずれにせよ、どこの国に対しても同じですが、ある一国に重要な資源、製品などを依存するリスクは、あらためて広く国民に再認識されたと思います。
リスクと言えば、アメリカのトランプ大統領の思考や行動による西側社会への弊害は、リスクを通り越して顕在化していると感じます。孤軍奮闘するウクライナが気の毒でなりませんが、東アジアで同じことが起き、日本の頭ごなしのディールにより日本の国益が損なわれる懸念を現実の可能性として頭に入れなくてはいけません。
現在、日本の周辺国・地域との関係では、台湾、そしてかろうじて韓国と良好な関係を保っています。高市政権は韓国との関係を壊さないよう、細心の注意を払って欲しいと願います。例の存立危機事態に関する総理答弁は、本来、政府の公式見解を繰り返しておけば十分であり、挑発に乗って独自の言葉で踏み込んだ答弁をしたことは明らかに不用意でした。野党とはいえ、閣僚経験者が安保戦略に関して挑発するのもいかがかとと思いますが。EUやオーストラリア、フィリピンなどとの関係はしっかりしているので、あとはインドやベトナムとの信頼関係の強化ですかね。
4.最後に
今年2月にコラムの連載を再開して以来、拙文にお付き合いいただき、ありがとうございました。皆様、良い年末年始を健康第一にお過ごしください。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

The Cambridge & Oxford Society のXmas Partyにて
Girton College, Cambridgeの先輩である高円宮久子様と