【記者ノート】合名会社冨江商店小坂功代表社員インタビュー 戦後スタートの酒類卸売業80年、義父の冨江商店を継ぎ、悪戦苦闘しながら業界活き抜く

合名会社冨江商店の本店の建物
戦後ビール特約店からスタート、先代達は食料品小売業として大変な時代を経て今日がある
義理の曾祖父が大正5年に乾物商として創業、義父の長女と結婚したことから、今は4代目の代表社員である小坂功氏。義理の祖母が戦後の昭和20年頃から、キリンビールの特約店となったのが、飲料卸売業のスタートだ。「昔は糸魚川でもキリンが6、7割のシェアを占めていた時があり、大変うちも景気が良かったようだ。ただ、地元の酒は以前は扱えなかったので、他地域の酒を売り込むのに苦労したと聞いている。その後地酒類は全て扱えるようになったものの、台頭してきた全国系のコンビニやドラッグストアとは取引出来ず、今は地元スーパーや酒小売店のほか、上越地域のホテル、飲食店などに業務用卸も行っている」と飲料卸売業の大変さを語ってくれた。
東京・府中から見ず知らずの地での商売のため付き合いを大事にあらゆる会合に顔を出して商工会議所副会頭も7年目

合名会社冨江商店の小坂功代表社員
小坂功代表社員は、東京・府中に生まれ、父は競馬の厩務員をしていたが、義父の長女と結婚1年後28歳の時に、妻の家業を継ぐべく糸魚川へ。「最初は知っている人はおらず、とにかく様々な団体に入って人脈を広げることに注力した。青年会議所や商工会議所はじめ地域の団体などにも関わった。見ず知らずの糸魚川で顔を覚えてもらい、商売するにはそれしかなかった」と振り返った。現在は糸魚川商工会議所副会頭も7年目を迎えている。
ベンディング売上や白馬村での売上増に期待

長男を呼び寄せたベンディング事業(自動販売機)
将来的には何とか売上を伸ばし、利益を確保しようとベンディングを始めた。サントリーやキリンの自動販売機によるベンディング。そのために富山でコンピューター関係の仕事をしていた長男(36)を呼び寄せた。「今は一生懸命やってくれており、本当に有難い。親のマネをしてか青年会議所の活動を一生懸命取り組んでいるようだ」と親として目を細める。「ただ、自動販売機の業界も過当競争が激しく、売上を上げることも至難の業だ。ドラッグストアなども系列があって入り込めない」と冨江代表社員は話す。少しだけ期待出来るのは、お隣の長野県白馬村での売上に期待する。と言っても、松本市や大町市から系列の業者がやってくるため、冨江商店が入れるのは酒小売店の1店だけであり、全体的にはまだまだだ。「それでも伸びしろのある白馬なので、インバウンドを含め期待したい」と願っている。
糸魚川の全業界力合せ糸魚川の魅力アピール
最後に糸魚川商工会議所副会頭として糸魚川の今後について聞いた。「現在わたしのところは家族を含め8人で切り盛りしている。県内どこもそうだが、人口減少で苦しんでいる。地域の外で稼ぐ、外から稼ぐと言っても、インバウンドも糸魚川は残念ながらそれ程期待出来ない。とにかく、各業界が危機意識を共有しながら、可能な限り力を合わせるしかない。糸魚川の魅力や良さをアピールするしかないのでは」と捉える副会頭だ。
竜 哲樹(にいがた経済新聞顧問)
昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。