【キシャメシ】大雪の日には“大雪の給油”を 三条の名店「中華亭」で背脂中華をすする

この日は三条市で取材。外に出れば、雪がしんしんと積もっていく。こんな日は決まって、体が「油」を欲しがる。向かったのは、三条の背脂ラーメンを語るうえで外せない名店「中華亭」。ここ三条の「中華亭」は、燕三条系背脂ラーメン(新潟5大ラーメンの一つ)のど真ん中を、長く支えてきた一軒だ。

混雑必至の人気店だけに、この日は開店時間に合わせて入店。暖簾をくぐったのはなんとキシャたちが一番乗りだった。まだ客のいない店内は、どこか張りつめた静けさが漂う。厨房からはスープを温める音だけが聞こえ、これから始まる昼の戦いに備えるような空気だ。
キシャがいつも頼むのは、王道の「中華(850円)」。背脂の量は「普通・中油・大油」から選べ、好みをスタッフに伝えるスタイルだ。
この日は、キシャが中油を頼むつもりが間違えて「中華」の油普通を、同席した後輩が「中華」の大油+トッピングで玉ねぎ(+50円)を選択。大油はその名の通り、背脂がこれでもかとかかる仕様。雪が積もる新潟で言うなら、“大雪の日には大雪の油補給を”──そんな言い訳が成立してしまうのが、背脂中華の懐の深さである。


ほどなくして着丼。キシャの「普通」は、丼肌が見える程度に背脂がちらりと浮かぶ程度。一方、上司の「大油」は別世界だ。表面が白く覆われ、湯気の向こうに雪化粧が完成している。
まずはスープをひと口。見た目は色濃く塩分濃度高めに見えるが、口に含むと印象はぐっと変わる。ベースは豚骨だが、そこに煮干しの出汁がしっかりと重なり、醤油と出汁の旨味が感じられる奥行きのある味わいになっている。醤油ダレのキレと煮干しの香りが立ち上がり、重厚なのに重すぎず、思わずもう一口とレンゲが進むスープだ。

麺は平打ち気味の太麺で、噛むとむちっと力強い。背脂と醤油をまとって、口の中で“主食”として成立する頼もしさがある。
雪の降る日に背脂中華をすする行為は、もはや栄養補給というより、年季の入った記者の“調整”に近い。体の芯がほどけていく感覚がある。次回はまちがいなく中油を、いや大油でもいいかもしれない。
三条の名店「中華亭」は、背脂ラーメンの豪快さを見せながら、最後はしみじみと落ち着かせてくる。普通でじんわり、大油でがつん。油の量を自分で選べるからこそ、その日の天気と体調に合わせて“正解”を決められる。大雪の日には、大雪の油補給を。雪かきの後の一杯もさぞかしうまいだろう。また近々、暖簾をくぐりにこよう。
(キシャA)
中華亭
住所:新潟県三条市西裏館1-14-21
TEL:0256-33-0466
営業時間:11:30〜14:30/17:00〜20:00
定休日:月曜