新潟県内の企業が相次いでキャラクターを活用した広報活動を強化

新潟県内の企業が、キャラクターやアニメーションを活用した広報活動を強化している。特に、ひと目では会社の事業や業種がわかりにくかったり、一般消費者に触れる機会の少なかったりする企業でその動きが目立っている。キャラクターを活用することで会社を身近に感じてもらい親しみを持ってもらう効果や、ブランディングを図る取り組みとして注目されている。

新潟県では特に製造業で完成品に至るまでの一端を担う企業が多く、「社名だけではどのような事業を行っているのかわかりにくい」(企業担当者)という声が根強い。ものづくりの街・燕三条でも顕著で、三条地域の広報担当者は「三条の中では知られている有力企業でも、一歩外に出ると知名度が低いのを感じる」と打ち明ける。

企業を擬人化してカードに

そうした現状に対応し、三条商工会議所青年部は「燕三条トレーディングカードプロジェクト」を展開。江戸川産業株式会社や近藤與助工業株式会社など、実際に燕三条にある様々な企業を擬人化してカードにした。日本アニメ漫画専門学校(JAM)の学生達が協力し、学生一人一人が企業に取材をして、細かい打ち合わせやキャラクター案を作成。学生ならではの感性を生かして企業をマッチングして擬人化を試みた。第一弾は合計20社の擬人化に成功し、2019年4月に発売。トレーディングカード「匠の守護者」付きのおからクッキーを200円にて三条市内で販売している。

19年10月には更に30社をプラスして合計50社の擬人化キャラクターが顔を揃える予定だ。燕三条地域の活性化にも期待が集まる。

三条商工会議所青年部が制作したトレーディングカード

キャラを活用したブランディングも

発売以来、プラモデル愛好家たちの間で必需品となっている高性能ニッパー「アルティメットニッパー」を製造するゴッドハンド。「プラモデル専用」というコアな市場で多くのファンを獲得している起爆剤となったのが、インフルエンサー「ニパ子」の存在だ。

ニパ子とは、ニッパーを模したツインテールの女の子のキャラクターで、ケロロ軍曹の総作画監督を務めたアニメーターの小池智史氏がデザインを手掛けた。今ではフィギュアやLINEスタンプなどにも活躍の場を広げ、テレビ東京が提供するアニメ配信サービスで
も登場している。二パ子が生まれて6周年となる6月28日には、限定の刻印ニッパーを抽選で6人にプレゼントするキャンペーンを展開。バーチャル・シンガー『初音ミク』
とニパ子がコラボレーションした限定ニッパーも、ゴッドハンド直販サイト限定で完全受注販売を行った。

ゴッドハンドが展開する「ニパ子」
©Project NIPAKO

また、チェンコンベア部品や農業機械部品などで高いシェアを誇る共栄鍛工所は、アニメ風の動画を作成し、テレビCMや電車内のデジタルサイネージなどで広報を展開。インターネット上ではそのクオリティの高さから、ロボットアニメファンを中心に注目されている。同社の事業の強みは金属をたたくことによって成型する加工法・鍛造だが、一般には馴染みの薄い分野だ。学生や一般生活者などにPRする効果を狙ったとみられる。

製造業以外でもキャラクターの活用は広がっている。土木・建築工事などを手掛ける株式会社田中組(新潟市)を中心とする「ファムらいふグループ」は、田中組の庭に植えられていたカリンの木が由来の黄色いキャラクター「ふふ丸」を活用したブランディングを展開。風邪の時にそのカリンを使って家族を看病したというエピソードから、スタッフ達にも家族愛の象徴として認知されていたという。ファムライフの頭文字の『ふ』をとって、プロモーションの軸として企画されたキャラクターで、社屋にデザインしているほか、同社の広報担当としても露出を広げている。

ふふ丸が描かれた田中組の本社