きおくみらい閉館へ 移転セレモニーで役割を振り返る
中越地震の記憶と教訓を伝えてきた長岡震災アーカイブセンター「きおくみらい」は、中越メモリアル回廊の玄関口として、市中心部から中越地震の経験や復興の歩みを発信してきた。2011年の開館以来、延べ20万人を超える来館者を迎えてきたが、2026年1月31日を持って長岡市大手通の現施設を閉館し、4月からはながおか市民防災センター(長岡市千歳)へ機能を移転する。
これに伴い、移転セレモニーが1月30日、同センターで開かれた。主催は中越防災安全推進機構。オンライン参加を含む関係者約15人が出席し、15年にわたる現施設での活動を振り返るとともに、新拠点での防災伝承の継続に向けた決意を新たにした。

参加者は同センターでの思い出話に花を咲かせた
冒頭で館長の澤田雅浩・兵庫県立大准教授があいさつし、展示やワークショップを通じ、市民とともに防災を考える場を築いてきた歩みを総括。施設内展示をオンラインで体験できるバーチャルツアーの制作や、降雪前に撮影した映像資料の記録など、デジタル技術を活用した情報発信にも力を入れてきたことを紹介した。
続いて、関係者が子ども向け防災教育イベント「こども防災未来会議」をはじめ、楽しさと学びを両立させた取り組みを積み重ねてきた経緯を振り返った。会場内は思い出話に包まれた。
かつて同センターに勤務していたNPO法人ふるさと未来創造堂の中野雅嗣常務理事は、「退職後も毎年この施設を訪れるきっかけをつくってきた。名残惜しさはあるが、場所だけにあまえていてはならないと改めて感じた」という。
今後については、デジタルアーカイブを通じて同センターを始めとした中越メモリアル回廊」を保存・発信する計画が進められており、準備が整い次第公開される予定である。人々に愛された「きおくみらい」は、形を変えながらも、中越地震の記憶と教訓を次世代へ伝え続けていく。
(文・写真 湯本 泰隆)