小学生の発想でビル一室を改修 新潟県長岡市で産学連携のリノベプロジェクト

児童らが考案した部屋。広くて快適そうだ
新潟大学附属長岡小学校と新潟工科大学、小柳建設株式会社が連携し、長岡市中心部のビル一室を小学生の発想で改修する産学連携プロジェクト「Wiseビルプロジェクト―リノベラボ―」が完了した。完成した部屋の所在は、新潟県長岡市大手通2丁目のWiseビル5階で、3月2日にグランドオープンした。
同プロジェクトは、ビルの空き部屋に新たな価値を生み出すことを目的に約1年半前に始動した。参加した同校6年1組、6年2組の児童が中心となり、アイデア出しからコンセプト設定、資金調達、備品の選定、運営企画、施工の手伝いまで主体的に関わった。新潟工科大学の学生は小学生の活動をサポートした。
完成した空間は、作曲やカラオケ、ボードゲームなどが楽しめる遊び場をコンセプトとする。2月18日に開かれたお披露目会では、児童自らが企画を考え、来場者の出迎えや空間の説明、案内、ドリンクサービスなどを担当した。

自分たちでデザインした部屋について説明をしている児童ら
新潟工科大学の倉地みどりさんは「この日のために、子どもたちは何度もリハーサルを重ね、どうすれば感謝の気持ちを伝えられるかを約1か月かけて準備していた」と振り返る。
部屋には、児童らが手作りした協力企業・団体のロゴ入り木工プレートも設置された。地域企業の支援を受けながら完成した空間は、誰もが気軽に立ち寄れる温かみのある場に仕上がった。
見学した児童の母親の田中睦子さんは「驚くほどよくできていた。部屋が楽しくなる工夫が施されていて、子どもたちの成長を感じた」と話した。

田中伶旺(れお)さんの発表を聞きに来た祖母・神保京子さんと母・田中暁子さん

「空間を作って終わり、ではなくその後の使われ方も意識してほしい」と語る小柳卓蔵代表取締役社長
利用は予約制で、2月26日から受け付けている。詳細は「アップナウ長岡507」で検索するか、専用サイトで確認できる。
プロジェクトに参加した同校6年の岩坂橙里(とうり)さん(12)は「完成したという実感がなかなか湧かなかったが、担任の先生から写真を見せてもらい実感した。とても嬉しかった」と話した。田中久智さん(12)は「最初は完成まで難しいと思ったが、やってみると子どもの力でもできると分かった。この経験を将来につなげたい」と語った。
小柳建設の小柳卓蔵代表取締役社長は「資金調達などを含め、自分たちで物事を進める難しさを体験してもらうことに価値がある。建物づくりは完成して終わりではない。1年後にどのように使われているか見に来てもらえたらうれしい」と話した。
プロジェクトを通じ、参加した児童の中には将来建設業などに関心を持つようになった例もあるという。地域の子どもたちが主体となった取り組みが、まちなかの新たなにぎわい創出につながりそうだ。
(文・写真 湯本 泰隆)