「子どもは10褒めて1叱れ」 夜回り先生・水谷修氏が長岡で講演

長岡市と出雲崎町の小中学校83校のPTAで組織するPTA連合会が主催する特別講演会「壊されゆく子どもたち~今、私たちにできること、しなければならないこと~」が2026年2月10日、長岡市大手通のミライエ長岡4階「ミライエステップ」で開かれた。講師には、元高校教諭で教育評論家の水谷修氏を招き、保護者や教育関係者らが子どもを取り巻く現状や家庭・社会の役割について学んだ。共催は長岡市教育委員会。

水谷氏は1956年、横浜市生まれ。少年期を山形県で過ごし、上智大学文学部哲学科を卒業。横浜市の高校教員として長年勤務し、12年間は定時制高校で教壇に立った。教員生活の多くで生徒指導を担当し、非行や薬物問題、子どもの心の問題に向き合ってきた。深夜の繁華街を巡回する活動は若者から「夜回り」と呼ばれ、非行防止や更生支援に取り組んできた。また全国から寄せられる子どもたちの相談に応じ、不登校や自殺などの問題にも関わっている。こうした経験を基に、執筆やメディア出演、全国各地での講演活動を続けている。

長岡市へは何度も後援で足を運んでいるという水谷修氏。「長岡の人たちは教育に熱心」と語る

水谷氏は、子どもたちが命を絶つ背景について「命を絶つ前に親や祖父母に相談しないのは、関係が切れているからだ。その関係は子どもが作るものではなく、大人が作るものだ」と指摘し、家庭の中で信頼関係を築くことの重要性を強調した。また、子育ての在り方について「昔から『子どもは10褒めて1叱れ』と言われてきた。まず子どもを認め、人間関係をつくった上で、一つのことを丁寧に直していくことが大切だ」と述べた。一方で「今の日本の子育ては10叱って1も褒めない傾向がある。それが子どもたちを追い込んでいる」とした。

子どもたちとの出会いや自身の理念について熱く語った

講演では、自身が関わってきた子どもたちとのエピソードについても語り、「子どもの命の重さと向き合う現場を何度も見てきた」と力強く語った。さらに社会背景にも触れ、1991年のバブル経済崩壊以降の社会構造の変化や子どもの貧困問題にも言及。「全国平均で約7人に1人の子どもが就学援助を受けている。家庭の貧困や社会の格差が子どもの生活に影響している」と説明した。長年、夜の街に集う子どもたちと向き合ってきた水谷氏の話に、参加者たちは真剣に耳を傾けていた。

水谷修氏の話に真剣に耳を傾ける保護者や教育関係者

(文・写真 湯本泰隆)

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