「新潟県気候変動適応に関する研究会」が新潟市中央区で開かれる

顕在化した気候変動による災害リスクなどへの適応策を審議

昨年8月、新潟県で初めて最高気温が40度(胎内市40・8度、三条市40・4度)を超えたのは記憶に新しい。また昨年7月には西日本から東海地方で記録的な大雨となり甚大な被害が発生した。

こうした気候変動の影響を予測して対応方針を審議する「新潟県気候変動適応に関する研究会」(事務局=新潟県環境企画課)の第1回目となる会合が9日、新潟市中央区で開かれた。地球温暖化対策としては、温室効果ガス(二酸化酸素、メタンなど)の排出削減策が行われているが、それに加え、顕在化した「気候変動(気候変動による災害リスクなど)」に対して、いかに対応していくかという「適応策(適応計画)」をまとめていく。

9日に開かれた「新潟県気候変動適応に関する研究会」

新潟県ではこれまで適応策も盛り込んだ「新潟県地球温暖化対策地域推進計画」(2017~2030年)を策定し、「削減策」と「適応策」の両面から気候問題に取り組んできた。こうしたなか、昨年12月、国において「気候変動的用法」が施行され、「地域気候変動適応センター」の設置と、「適応計画の策定」が地方自治体の努力義務として盛り込まれたことから、県では今年4月にセンターを設置するとともに、同研究会を発足したもの。

現在と比べて気温が3度上がると、かなりの生態系が失われるといわれるなか、世界各国が現状を上回る温暖化対策をとらなかった場合、世界の気温は2100年に2・6~4・8度上昇すると予測されている。こうした最悪のシナリオも考慮に入れ、2100年までという“超長期”の「適応策」をまとめるようだ。

研究会のメンバーは、気象、農業、水産行・海洋、水環境・水資源、自然生態系、防災、健康などの研究者で、新潟地方気象台や県内市町村がオブザーバーとして参加している。

第1回の会合ではまず座長に新潟大学理学部教授の本田明治氏が選任。その後、

新潟県の気候変動の現状(気温上昇、猛暑日、降水量、無降水日数、短時間強雨、雪、海面水温、海面水位、農林水産業への影響などについて)
将来予測、影響(農林水産業・水環境・自然生態系への影響、大雨災害、斜面崩壊率、砂浜消失率、雪害、熱中症などについて)

について県が説明を行った。さらにその後、各メンバーが、県の説明と自身のこれまで研究を踏まえ、意見を述べた。あるメンバーは、「農業用水について触れているが、地下水についても触れたほうがいい。雨水を浸透させること(雨水を地下に注入すること)は(地下水の対策だけでなく)、豪雨対策にもなる」と語っていた。また別のメンバーは「降水のない日は増加する一方、極端現象が増える。(将来の水害はいまよりも)雨水が40%増えるが、20世紀の水害と何が変わるのかまだはっきりしていない。だが、川岸を削るような被害が増加するのは間違いない」と語り、まだ完了していないインフラ整備(河川整備など)を早く終わらせるととともに、極端現象に対応した21世紀型の新たな対策を打ち立てていくことが必要であると強調していた。

今年度は残り2回開催し、適応策の対応方針を取りまとめる。

配布資料より